危険だったクラウドソーシングと、私が産んだ記事の行く末の話

危険だったクラウドソーシングと、私が産んだ記事の行く末の話

クラウドソーシングはこんなに危険だった

本田は、主にクラウドソーシングを利用してライターとしての報酬を得ています。

黎明期にはゴールドラッシュ時の西海岸のような「無法地帯」だったクラウドソーシング界隈も、最近は整備が進み、業界リテラシーも向上。仕事がしやすい環境がどんどん整ってきました。

しかし今思うと、3・4年前のクラウドソーシング界隈には、危険な落とし穴がたっぷり掘られていました。

クライアントから、使っちゃいけない画像を「使ってください」といわれる

あの手この手で連絡先を聞き出そうとされ、直接契約のお誘いがバンバンくる

1文字0.1円程度の案件が溢れ、それが相場として認識され、稼げない神話が流布する

どうです?恐ろしくないですか?

え、「まだそんな状態で仕事を受けている」?

それはあなた、ハズレ案件ですよ。

逆に、今やほとんど絶滅したタイプのクライアントさんですね。なかなかの希少案件かも知れません。

でも本田も、クラウドソーシングを使い始めた当初は、「いかに落とし穴に落ちないようにするか」に神経をすり減らしていました。

様々な要求やトラブルに出会うも、周りに先輩はいない。ネットで調べても曖昧な情報しか載っていない。「こ、これって…何かあったら私の責任では?」とヒヤヒヤしながら、穴が予想されたら避ける!という自衛しかできず、割に合わない案件に首をひねりながら書いていたものでした。

今回は、そんな昔に書いた記事に再会し、強く思ったことを書いてみようと思います。

売り飛ばした子に、再会する

クラウドソーシングを始めた当時、毎月まとまって受注していた案件がありました。

それは「2500文字・450円」という…なかなかにアレな案件でしたが、クライアントさんがめちゃめちゃいい人だったのと、自分の記事がサイト内でどんどん人気が出ていくのを見るのが楽しく、数カ月間納品を続けていました。

いま振り返ると、とんでもないことをしていたと思います。なぜならその記事は「まとめ記事」ではなく、私の体験した一次情報が元になったもので、数百円で渡して良いような内容ではなかったからです。

しかし私は「こんな書き飛ばす記事に、大した価値はないだろう」と思い、深く考えずに量産を重ねていたのです。

そして先日。たまたま同ジャンルで記事を書く機会があり、何の気なしにキーワードを入れて検索をしてみると…

私が3年前に書いた450円の記事が、Google検索のトップを飾っていました。

めっちゃ読まれとるやん!!!!!

気になったので、しばらくの間ウオッチングしました。気が向いたときに検索をかけてみると、多少の変動はあるものの、常に検索上位の表示。そして1000記事を超えるサイト内記事の中で見ても、人気記事TOP10から外れることはありませんでした。貼られた広告も定着しており、そこそこの成果が出ていることが予想されました。

この記事…価値あったんちゃう…

しかし私には何をいう権利もありません。
もう自分の手から離れた子です。

そしてそのとき、罪悪感を覚えました。
初心者時代の私が、いかに適当に、記事に真剣に向き合わず、書き散らかしていたのか。

ごめんよ…ごめんよ。あんたの持つポテンシャルに気付かず、安売りして本当にごめんよ。育ての親がいい人だったみたいで良かった。

何だか、売り飛ばした子に再会したはいいものの、親といい出せないような後ろめたさを感じました。そして私はこのとき、「クラウドソーシングだからこそ、これからは文章の安売りをしない」という覚悟を決めました。

私が記事の価値を信じないで、誰が信じるというのか

でも、決してそのクライアントさんに騙されたわけではないのです。

そもそも私の記事の「成長」に賭けてくれたのはクライアントさんの方です。

もしかしたら屑になるかも知れない記事に、たとえ数百円であってもコストをかけ、数年かけて育てた結果、大きいリターンがあった。何の問題もありません。

そうではなく、自分の記事に自信も持てず、ポイっと書いて納品した私が、甘かったのです。

もちろん、受注段階で

「絶対バズります」

なんていえません。

でも、その記事がどう育つかは分からないし、納品後の育成環境に口出しができないとしても。

「いい子に育つように書き上げましたので、相応の対価で引き取ってください」と胸を張っていえないようでは、記事の親として失格なのです。

落とし穴は減った。そして言い訳が効かなくなってきた

クラウドソーシング界隈のリテラシーは、ここ1年ほどで急激に上がりました。オープン案件の単価も改善されてきていますし、何よりスカウト案件の報酬がぐっと上がったのを感じています。

発注側も「いいコンテンツには、しっかり払います」という姿勢を取ってくれるようになり、グレーゾーンな要求にヒヤヒヤしながら納品するということなどは無くなりました。

つまり、「落とし穴」が減ったのです。

だから、これからのクラウドソーシングで穴にはまったら、ある程度は自己責任だと思います。正しい情報も流れていますし、サポート体制も整っています。

その代わり、ライター側には「記事に対する責任」が生まれました。

「よく分からなくて…」
「クライアントに言われて…」
「初心者で…」

昔はまかり通っていたこの3つは、もう禁句です。

あなたの書いた記事には、ちゃんと価値があります。

えーと。結論。

その記事の価値をあなたがアピールできないなら、匿名でやりとりできるクラウドソーシングで稼ごうなんて思うな!

クラウドソーシングはこれからもどんどん進化すると思いますし、そこで産み出される文章の数もどんどん増えていきます。ライター側が託す相手を間違えず、自信を持って渡すことができたら、WEBの世界はもっと優しく素晴らしい言葉で満ちるのではないでしょうか。

おしまい。

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本田もみじ

本田もみじ

このサイトの運営者。元道産子、関西が大好きで定住してしまったWEBライター。ベンチャー企業勤務とライター業をパラレルで行き来する日々を送り、ライフワークはアジアの仏教美術巡り。