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【ライター基礎講座 受講生コラム】星野源さんがいたから出逢えた、大阪ものかき隊

それは、2021年のゴールデンウィーク明けのこと。
何気なくTwitterを開くと、知らない人から1通のDMが入っていた。

実名で鍵をつけずにTwitterをやっていると、私がお金に困っているように見えるのか「〇千万円稼ぎたいなら、こちらのLINEに登録!」みたいなDMが髪の長い美女や意識高そうな若者からよく届く。

どうせまたよく分からない投資とか情報商材の勧誘だろうと思いながらDMを開いた私は、この目を疑った。

「えっ??????!」

いや待て、どういうこと??

そこには、自分の人生で決して交わることはないと思っていた仕事の依頼文が書かれていたのである。

”市岡光子さま
はじめまして。私、マイナビウーマン編集部の〇〇と申します。
突然のご連絡失礼いたします。今回、弊社媒体にて星野源さんの「ラブソング」についての考察コラム記事のご執筆をお願いしたくご連絡いたしました。”

子どもの寝かしつけで、キャイキャイ騒ぐ子どもを横目にスマホを見ながら寝そべっていた私は、思わず飛び起きた。

「……マジで?!」

大手メディアで、書けるのである。星野源さんのことを。
星野源さんのラブソングを考察したコラムを。


***


私は星野源さんを、NHKで放送された内村光良さんのコント番組『LIFE』で知った。少年のようにクシャっと笑う顔が忘れられなくて、気づけばリリースされているCDとDVDを買い集め、ライブにもすべて申し込み、年に数回出されるグッズも必ず1つは購入していた。

星野源さんが俳優として出ていると聞けば、その作品を鑑賞し、インタビューされたと聞けば、雑誌を片っ端から買っては読み漁った。もちろん、エッセイ本はあとがきが異なるのでソフトカバーと文庫版の両方を揃えているし、対談記事を集めたムック本のポスタープレゼント企画にも応募した(なんと、プレゼントに当選!今、当たったポスターは家宝になっている)。

そして……、ドン引きされることを覚悟で書くのだが、ついには私が眠りについた後、夢にまで出てくるようになった。ある時はパーティーで一緒にお話しする夢、ある時は友人として一緒に遊ぶ夢、ある時は仕事でインタビューする夢。

夢の中は自由だ。現実では起こりえないことを体験しては「今日も星野源さんが出てきたなんて、なんて幸せな夢……」と楽しんでいたのである。

そんな私に舞い込んできた依頼だからこそ、最初は本当に何かの間違いだと思った。まずこれは夢だと思ったし、同姓同名のライターと間違えたのかと思った。あるいは大手メディアを騙った偽アカウントだと思った。

でも、依頼されるきっかけには、思い当たる”ふし”があった。

少し前にリリースされた星野源さんの新曲『不思議』があまりにもギュンとするラブソングだったので、リリースの1時間後、深夜1時には自分のnoteで「星野源『不思議』が最高すぎる」という記事を書いていたのだ。その記事は私のあまりバズることのないnoteの中でかなりのPV数を集め、スキの数もいつもの4倍に増えていた。

たぶん、マイナビウーマン編集部の方はこの記事を読んで、私に依頼しようと思ってくださったのだろう。

もし嘘だったとしても、一瞬でも夢が見られたんだからそれでいい。
そもそも、駆け出しライターにはラッキー過ぎるチャンスだ。
そう思いながらダメもとで、

”この度は、ご依頼を誠にありがとうございます。
 私で良ければ、ぜひ書かせていただきたいです。”

と送ってみたところ、編集部から丁寧なお返事が返ってきた。

”早速ご連絡いただき、ありがとうございます。本件、お受けいただきありがとうございます!とてもうれしいです。それではメールにて詳細をお送りさせていただきますね。

うわあああああああああああああああ、まじで書けるのか!!!!!
星野源さんのことを、メディアで書いていいのか!!
すごくない?!なにこれ?!すごすぎない?!

……しかし、浮かれたのも束の間。
急に襲ってきたのである。

ライター歴1か月の分際でコラムなんてちゃんと書けるのかという不安が。そして、ファンが沢山いる星野源さんだからこそ、中途半端なクオリティの記事は出せないというプレッシャーが。

そのとき、初めて理解した。ライターは楽しいし、幸せな経験もできる。だけど、“ことば”を扱うプロとして、生み出す文章には大きな責任を背負っているということを。

***

 

不安とプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、私は締め切りまでの1週間、寝ても覚めても、食事中もお風呂でもコラムのことを考え続け、寝る間を惜しんでは執筆に費やした。

星野源さんの曲を一通り聴き返し、どの曲を紹介すべきかを考える。選んだ曲の歌詞を眺めながら、そこに星野源さんが込めたであろう想いや考え、背景を探る。その曲はどのジャンルの、どのアーティストの影響を受けて生まれたものなのか、手元の星野源さんのインタビュー記事を読み返す。そして、その曲から感じた私なりの考えを、どうにか言語化して、記事の中に織り交ぜる。

そうして締切2日前に書き上げた原稿を、編集部の担当者に提出する時は、正直手が震えた。

(こんなものコラムとは言わない、書き直し!とか言われたら……?)
(下手くそな文章だな、市岡に依頼するんじゃなかったわ、と思われたら……!)
(なんとか公開できたとして、誰にも刺さらなかったら?)
(星野源さんのファンから、酷評をうけたら?)
(どうしよう、どうしよう、どうしよう……!!!!)

いろんな考えが頭をよぎりながらも、なんとか提出した原稿は、編集部から好評をいただけた。

そして、マイナビウーマンにその原稿が掲載された日、編集部から掲載の連絡をもらった私はすぐにその記事をチェックした。プロのイラストレーターが描いた星野源さんのイラストとともに掲載された、私の記事。無事に公開できたことにほっとしたし、なんだか不思議な気持ちだった。

Twitterで反響をチェックしてみると、記事をツイートしてくれた人がいたり、私自身の記事公開を知らせるツイートにも100を超える「いいね」がついた。「夢が叶って良かったですね!」とか「10年分の熱い思いがひしひし伝わってきました!」とか、あたたかで嬉しくなる感想もいただいて、このとき初めて書いてよかったと思う仕事ができたのだった。

***


それからの私は、またあの「書いてよかった」と思える仕事をするために、書くことにもっと貪欲になった。

自分の書く文章に大きな責任を感じるからこそ、いろんなことを学んで、書くことへの引き出しを増やしたいし、うまくなりたい。書くことに役立つ本は手あたり次第購入し、良さそうな講座はなるべく受けるようにした。

その中で出会ったのが、ライターのためのコミュニティである『大阪ものかき隊』だった。フリーランスでも副業でもブログでも、個人で頑張るライター同士がつながり、助け合いながら、お互いを刺激し合って、学び、高め合う。

星野源さんの仕事をいただいたときに、大阪ものかき隊に所属していたらあんなに不安やプレッシャーを感じなくとも、記事を書き上げられていたのかもしれない。そう思ったら、入隊しないという選択肢はなかった。「入隊一択」とはやる気持ちで説明会に参加してすぐに入隊申し込みをしたのだけど、入隊から3か月が経つ今、大阪ものかき隊は思った通りの学びが多いコミュニティで、やはり入隊して良かったと感じている。

私は今日も長く書き続けられるライターを目指して、大阪ものかき隊のメンバーから日々沢山のことを学びながら、書く仕事に向き合っている。

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