元イタリアンシェフがクラウンにエモらされた話

元イタリアンシェフがクラウンにエモらされた話

皆さんこんにちは。

元イタリアンシェフのジーンイケダです。

と言っても今回は料理の話ではありません。「元イタリアンシェフの」は私の名前の冠にすることに決めたので、これからは毎回使います。(その理由もいつか記事に、、、いやこれはブログネタ程度にしかならないかな?)

私はOBPアカデミアの「大阪ものかき隊」に属するライターですが、そのアカデミアで開催されたセミナー「クラウン(道化師)から学ぶ・人を魅了する!自己と空間の演出術」(講師・尾崎杏奈氏、ピエコロ)を受講してきました。

今回はそこで私の心がエモった体験の話です。

エモったという言葉の使い方があるのか正しいのかは分かりませんが、こんなにも大きく心を揺さぶられるような体験は本当に久しぶりでした。

クラウンとピエロは違う

まずはクラウンとは何だ?という話。

冒頭で触れた「冠」という意味のクラウンとは違います。

道化師のクラウンのことです。

英語のスペルでは「冠・CROWN」「道化師・CLOWN」と1文字違います。

道化師と聞くと「なんだピエロのことか」と思われる方も多いでしょうが、実はピエロとクラウンは違います。

正確に言うとピエロはクラウンのひとつ役柄を表す名称です。フランスの有名な演者であるジャン・ガスパール・ドピュローが語源という説があります。

元はフランス語でそれが外来語の日本語として定着したのがピエロという言葉であり、英語圏ではピエロという言葉自体が通じない事が多いようです。

ですから道化師のことはクラウンと呼ぶ方が一般的だと覚えておいた方がいいですね。

販売員時代のエピソードに共感

講師のピエコロ(キャラクター名なので敬称略)は、前職でアパレルの販売員をされていて、その接客現場で「他者との無言のつながり感」「人間の空間感覚」を身に付けたそうです。

エピソードのひとつとして語られた「お客様とは距離を取って、背中で気配を見ている」という話は、飲食業の修行時代「すいませ~ん」と呼ばれる前に注文を取りに行けよ、「水くださ~い」と言われる前に代わりの水をお持ちしろよ、と教えられた私にも良く分かる感覚でした。

それが「空間感覚」というものなのでしょう。

さりげなく様子を覗い素早く行動する。そういうところをデフォルメすると、道化師の動きに通じるのかな?という気がしました。

自己紹介を二度?その意味と表現力アップに驚く

参加者は自分でニックネームを付け、講座中それで呼び合いながら過ごします。

許可をいただいたので、ニックネームと性別を紹介します。

まるちゃん・男性。
まあこ・女性。
たまもん・女性。
ATSUSHI・男性。
ふじい・男性。
みかちゃん・女性。
ゴロベー・女性。
あきちゃん・女性。
イムレ・男性

そして私を合わせた10名です。

自己紹介は二度ありました。

始めの自己紹介は、普通の自己紹介でした。無難な感じと言えばいいのでしょうか。ニックネームと参加目的を告げるくらいです。

そのあと立ち歩きながら、いろんなバリエーションの挨拶のワークをしたあと、二度目の自己紹介をしました。

すると出る出る、誰もが信じられないほど自分を語り出すのです。

たった30分ほど、共同でワークをするだけで、こんなにも人は心を開き合えるのだ、ということを実感した体験でした。持ち時間2分で話し終えた人はいません。全員タイムオーバーだったと思います。

始めの自己紹介の時、セミナーに参加した理由として「引っ込み思案」「人と話すのが苦手」「他者から受け入れられていないかも」などと言っていた人たちが、思わず「え!?」と思うほど、自分らしく個性を活かした表現をしている。

しかも嬉しそうに自分を語っている。

なかでも私が感動した、ある方のエピソードは、たぶん全員の涙腺を刺激していたと思います。(さすがに号泣する人は居ませんでしたが)そんな話が出てくるなんて想像もできませんでした。

エモ度が一気に上がり、体調が悪くて休もうと思っていた私でしたが、本当に来て良かったと思いました。

この体験で私が気付いたことは、誰もが自己表現したいネタは持っている。そして表現方法も知っている。恥ずかしがってばかりいて、そのことに気が付いていないだけだ、ということでした。

非言語コミュニケーションについて

私は声を失ってから、言語以外で他者とつながる方法を考えて来ました。

その一つがライターの道なので、今これを書いています。

他には以前から興味があったダンスです。実は1年ほど前少しだけタップダンスを学んだことがあり、その時からパントマイムには興味がありました。

今回学んだクラウンは、本来なら声も大きな武器にしていますが、言語を使わないパフォーマンスで、人に感情を伝えることができる方法のひとつです。

今回ピエコロのむちゃ振りで「ジーン、今からコックをやりなさい」と即興でパントマイムを演じるように言われ、頭が真っ白になりましたが、実際にやってみると、なかなか楽しい体験で、拍手を受けるとめちゃくちゃ嬉しく、エモ度も最高潮に上がりました。

 

クリニクラウンを知る

今回、「クリニクラウン」という活動があることを知りました。病院(クリニック)を訪問する道化師(クラウン)のことで、入院生活を送る子供たちに遊びとユーモアを届け笑顔を育むことが目的です。

私は2年前、咽頭癌で長い入院をしましたが、時期は年末年始を含む3か月間でした。大きな病院でしたので、クリスマスには院内でコンサートが開かれました。

そこに私の病棟では全く見ることの無かった小さな子供たちがたくさん聴きに来ていた姿を見て「そうか、子供たちも病気で入院するんやな」と、当たり前のことに気が付きました。

大人は退屈でも我慢して過ごすでしょうが、入院している子供は、病気と退屈の二つの苦しみがあるのだろうな、と感じます。

そんな子供たちを慰問する「クリニクラウン」という素晴らしい活動に興味が湧いています。

私がエモった理由

弱音を吐くようですが、正直に言うと、声を失ってから他者とのコミュニケーションを諦めている自分も居ます。

「代用音声での会話なんか、以前のような本心からの会話とちゃう。言いたい事の20%くらいしか話せてないやん」

そんな風に思っている自分です。

だけどそれは声が出せるかどうかの問題ではなく、人とつながりを持とうとする気持ちの温度の話で、今回の自己紹介のワークを通して、誰もがその温度を持っているのに、その使い方に気が付いていないだけ。

そして他者とのコミュニケーションを諦めていたと思い込んでいた自分の中にも、その温度があることに気が付いたところにエモったのです。

ピエコロはクラウンがよく持っているバトンは使っていませんでしたが、何かをヒュンと回して、私たち参加者に魔法をかけて、日常の生活で身に付いてしまった「思い込み」という呪縛を解いてくれたように思いました。

ピエコロ、心を軽くしてくれてありがとう!

 

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ジーン イケダ

ジーン イケダ

バイク好きな元イタリア料理シェフ。セカンドキャリアとしてライターの世界に飛び込み、今は書きたいことが溢れている。いつか自分の人生を言葉にすることが目標。