発達障害ライターが聞いてみた!発達障害の就職を支援する作業療法士の思い

発達障害ライターが聞いてみた!発達障害の就職を支援する作業療法士の思い

どーも、発達障害ライターのスンダヴです。

そろそろライターを始めてから1年になります。今年は飛躍の年にしたいです。

「発達障害と診断されたらどのように働けばいいのか?」は重要な問題です。しかし、具体的なガイドラインの策定には至っておらず、多くの当事者が悩みを抱えています。

今回は、大阪で発達障害の就職を支援する合同会社「Builders〜ADHD人材育成事業〜」の共同代表、作業療法士の島本卓也さんにお話を伺うことが出来ました。島本さんとの対談を通して、発達障害当事者の労働環境の理想が見えてきたように感じます。

合同会社「Builders〜ADHD人材育成事業〜」共同代表の島本卓也さん

 

島本さんが「才能・強みを引き出す」作業療法士になったワケ

島本卓也さんは1981年に兵庫県で生まれました。父親がアルコール依存症という不安定な幼少期を送り、不整脈・喘息・アトピーなどの病気にも苦しめられます。

「成人してから働き始めましたがうまくいかず、10回以上も転職し再び鬱状態になりました。31歳まで自分のやりたい仕事が見つからないという日々でしたね。そんな状態から脱却するために始めたのが、2000以上の質問を自分に問いかけるというワークです。」

「その結果、『今までのつらい経験から得た価値観が、自分の才能・強みである』という結論にたどり着きました。才能や強みというのは、人の価値観そのものです。人材採用ではスキル・人格に注目しがちですが、それらも人の価値観によって作られるのだと僕は確信しています」

自分の最大の才能・強みである価値観に気付く。

それが鬱に対する最大の回復法であると気づいた島本さんの人生は一変しました。メンタルが安定するようになり、「作業療法士の資格を獲得して、同じ境遇の方の役に立ちたい」という夢を持つようになったのです。

「作業療法士の資格を取得し、雇用されて働くようになりました。しかし、作業療法士が『患者さんのネガティブな面にフォーカスを当てることが多い』事に気づき、疑問を抱いたんです。ネガティブな問題に触れるのは、患者さんのみならず自分がされるのも嫌なこと。できる事なら、自分がやったようにいい所や才能を伸ばして患者さんを幸せにしたい。そう思うようになりました」

島本さんは2016年、「障害者を含む、すべての人が自分だけが持つ才能を発揮して自由に生きられる社会を作る」という理念を掲げ独立します。

自身の経験をいかし開発した「オーダーメイド型才能診断プログラム」で、一人一人の価値観から形成される才能・強みを引き出して鬱や悩みの解決に繋げるカウンセリング業です。それは徐々に反響を呼んでいき、最終的に200人以上の才能・強みと真剣に向き合うことが出来ました。

「印象深いのは、今では僕の親友となった女性が悩みを相談しに来た時です。彼女は様々な理由により子供を中絶してしまい、自分をとても責めていたんです。僕はワークを通して彼女の本音と向き合い、『子供を大事にしたい』という強みを見つける事が出来ました。彼女は現在、様々な事情により家庭で暮らすことができない乳児を預かる乳児院で子供のために働いています」

 「合同会社Builders~ADHD人材教育事業~」とは

島本さんは、「Builders〜ADHD人材育成事業〜」を2018年に設立し共同代表に就任しました。既存の就労支援プログラムとは違い、発達障害当事者を企業の戦力の一員として長期間雇用してもらうことが目標です。

Buildersのポイントは①特性理解②環境設定③支援連携の3つです。発達障害当事者にはまず自身の特性や強みを理解してもらい、長期間働くための足掛かりを作ります。その後企業と当事者双方で、理想の職場環境を設定していくのです。就職後も当事者や企業と連携して支援を行い、職場への定着を目指します」

島本さんがBuildersを設立するきっかけになったのは、同じくBuildersの共同代表を務める佐々木創太さんとの出会いです。佐々木さんは発達障害の1種であるADHD(注意欠陥・多動性障害)の当事者であり、島本さんのワークの参加者でした。

「佐々木さんは様々な経験を通して、『ADHDの方が才能・強みを発揮して生きる社会を作りたい』いう思いを持っていました。それをどんどん具体的にしていき、最終的に人材紹介にたどり着いたんです。それを知った僕は個人的に佐々木さんを応援したいと思うようになり、Buildersの共同設立に至りました」

島本さんが発達障害当事者に感じた可能性

島本さんは、Buildersの活動を通して、様々な発達障害当事者と面談を重ねてきました。その結果、世間一般に言われているようなイメージとは違う一面があると感じています。

「本当に才能にあふれています。どんな才能を持っているかは人それぞれですが、発想力・アイディア力・行動力が特に優れていますね」

同時に、現在の発達障害当事者が働く上での課題をこう分析します。

「まず、自分への理解が不足している点があります。特性や能力を理解できていないと、パフォーマンスを最大限に発揮できません。また、企業が当事者の苦手なところやネガティブなところにフォーカスを当てすぎるのも問題があると思います。まずは得意分野で自分の能力が活かせる作業をやってみて、自信を付けてもらいたいです。その後、苦手分野を克服するよう指導していけるといいと思います。得意なことをやることで自己肯定感が高まると、当事者の仕事の楽しさや充実度も違ってきます」

発達障害当事者たちが自分たちの価値観に気付き、才能・強みを生かして元気に働いてほしい。島本さんの目標です。

「現在、就労した発達障害当事者の方は1年以内に3割が退職されています。精神障害の方の退職率は5割にも達し、労働環境の改善が急務です。国内の労働者不足の解消のためにも、障害者の雇用を進めることが働き方改革の一助になると思っています。僕は当事者の方に伝えたいのは、『自分を過小評価する必要はない』ということです。『自分はこの程度』と思わず、秘めている可能性に目を向けて欲しいと願います」

「障害者を含む、すべての人が自分だけが持つ才能を発揮して自由に生きられる社会を作る」目標に向かって、島本さんの挑戦はまだ始まったばかりです。

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スンダヴ

スンダヴ

独立してフリーライターになるべく活動している会社員。旅行からビジネスコンテンツ、自身の経験を生かした記事をまで幅広く執筆中。