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発達障害ライターが聞いてみた!劣悪な家庭環境を乗り越えた男性が伝えたいこと

どーも、スンダヴ@1PVFisXfm6gY8qdです。桜も咲いてきて春の訪れを感じます。

僕がこの企画を通して最近感じるのは、「虐待や両親との対立など、家庭環境で問題を抱える方が多い」です。

家庭環境が悪いと、うつ病や愛着障害などの二次障害も発症しやすくなり、当事者の「生きづらさ」はさらに増大します。

そのような方に対する支援も、今後は必要と感じます。

今回は、ネグレクトをはじめとする虐待を受けた経験があり、自身に発達障害の症状があると感じている新線クリスチャン様からお話をお伺いしました。

クリスチャンさんのお話を伺う中で、劣悪な家庭環境に苦しむ当事者の生き方が見えてきた気がします。

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感想(4件)

目次

父親のDV、母親からのネグレクト幼少期のクリスチャンさんが背負った苦しみ

クリスチャンさんは父親がデンマーク人、母親が日本人のハーフとして生まれました。

生まれて間もない頃から始まったのが、父親のDVです。

「生まれたばかりで記憶はおぼろげですが、父親はすごい酒乱で、お酒が入るとDVを働く人間だったと聞いています。

母親だけでなく自分にも暴力をふるい、あやうく殺されかけることもあったそうです。そんなとき守ってくれたのが、母親でした。危ない時は交番に駆け込むなどして、なんとか難を逃れたそうです」

クリスチャンさんが2歳の時に父親は帰国してしまい、母親と2人で生活することになりました。

しかし、その直後から、母親に異変が起きます。

「母親は僕を精一杯守ってくれましたが、父親が去った後はある意味燃え尽きてしまったようでした。祖母の家に僕を預けるようになり、やがてすべてを丸投げするようになって姿を消しました。

実質僕と祖母の2人で生活するようになりましたが、祖母は僕をかわいがってくれたので苦ではなかったです。幼稚園の行事で、みんなお母さんが来る中僕だけ祖母が来ましたが、『うちはそれでいい』という感覚でしたね」

祖母と暮らすようになって数年がたったある日、母親が再び姿を現して、クリスチャンさんの人生は急変します。

「返ってきた母親は、僕の人生に介入してくるようになりました。丁度6歳で小学校に入るタイミングでしたが、1年間行かせてくれなかったのです。

7歳からアメリカンスクールに通い始めたものの、授業料が高くそこも1年で辞めました。そこから日本の学校に転入させてくれず、学校に行けなくなったのです」

母親は祖母も支配して、クリスチャンさんは学校にいけないまま少年時代を過ごすことになりました。

外に出ても「学校に行っていない子」としていじめられるので、クリスチャンさんは家に閉じこもるようになります。

今まで祖母がしっかり作ってくれた食事も粗末になりました。

「自分でも不思議なのですが、親戚には『自分はちゃんと学校に行っている』と嘘をついて、母親をかばっていました。敵に回したら、殺されると思ったのかもしれません。助けを求めなかったので、周りの人たちも踏み込めませんでした」

こうした生活が7年間続きましたが、15歳になったクリスチャンさんは自力で脱出を図ります。

「ある程度力も強くなったころ、子供のころ行ってたキリスト教の教会に行ったんです。そこに、昔遊んでいた友達の父親がいたので相談してみました。その人は教師だったこともあり、すぐに動いてくれましたね。夜間中学に通い始め、お金を稼いだ後19歳で家を出ました」

クリスチャンさんは母親から逃れる事が出来ましたが、幼少期の経験が、後の人生に影響を及ぼすことになります。

結婚からの離婚、鬱。クリスチャンさんの流転人生を救ったもの

クリスチャンさんは夜間高校に通っていた21歳のころ、1人の女性と出会いました。

「すぐに付き合い始めて、4、5か月で子供を授かりました。出来ちゃった結婚という形で一緒に暮らすことになり、やがて二人の子供に恵まれての4人暮らしです」

一見順風満帆そうに見えた人生ですが、次第にクリスチャンさんは情緒不安定になっていきます。

「幼少期の経験からか、すごく情緒不安定で・・・最終的に妻や子供にきつく当たってしまいました。結局、僕自身が虐待の加害者になってしまったんです」

最終的に、クリスチャンさんの妻は子供を連れて家を出て行きました。

良心の呵責から鬱に苦しみ、ほとんど何もできない状態が2年ほど続きます。

「最終的に自殺まで考えましたが、『最後にもう一回行こう』と教会に足を運びました。訪れたのは久しぶりでしたが、とても良くしてくださり、『人生をもう一度やり直そう』と決意しました」

立ち直ったクリスチャンさんは、紆余曲折を経ながらも、自分の人生を歩み始めました。

そんな時、ひとつの転機が訪れます。

「去年の夏ごろ、教会の方から児童養護施設で慰問をしてみないかと誘われました。そこには虐待に苦しんだ経験のある子供、親から逃れた経験のある子がたくさんいたのです。

虐待の被害者でもあり、加害者でもある経験をもとに『僕も苦しんだし、人も悩ませてしまった。でも、大丈夫やで』というメッセージを語りました。

すると、施設長からお礼を言われ、今では月一で慰問に言っています。自分の人生も、無駄じゃなかったんだなと思えてうれしかったです」

一歩を踏み出そう!クリスチャンさんから生きづらさを抱える人たちへのメッセージ

このように様々な「生きづらさ」を乗り越えてきたクリスチャンさん。

近年は自分に発達障害の症状があると感じており、仕事面で苦労されながらも、虐待に苦しむ方々への支援活動を精力的に行っています。

そんなクリスチャンさんに、発達障害当事者や虐待を受けた方に対するメッセージを語っていただきました。

発達障害当事者へ

クリスチャンさんは「興味のない仕事や作業は覚えにくい」という特性があり、様々な仕事を転々としてきました。

「レストランで働いていた時は、メニューなどを覚えられず、店の人から『馬鹿にしてんのか!』と怒られたりしました。でも、本当に覚えられなかったんです。

僕を普通の人と見てくれるので、『やる気出しや』というのですがそれが逆につらい。病院に行こうとしても、その時周りにいた人たちに止められて行けなかった。『とりあえず頭を使わない仕事をしよう』ということで、肉体労働をやったらうまくいってるので続けています」

そんな苦労もありますが、自身の特性についてクリスチャンさんは前向きにとらえています。

「マイナス面として考える方も多いですが、僕は特徴だと思いますね。スティーブ・ジョブズ、野村萬斎、黒柳徹子など発達障害の著名人もたくさんいます。

きつい言い方かもしれませんが、『発達障害だから何もできない』という人は、発達障害じゃなくてもできない人です。

僕も悩んだ時期はありますが、『興味のあることはすらすら入ってくる、興味のないことはやらなければいい』という考えに至ってすごく楽になりました。発達障害を、ツールや武器として考えればいいと思います」

虐待に苦しむ方へ

虐待当事者にかける言葉は様々であると、クリスチャンさんは語ります。

「人によってかけるべき言葉は違いますが、一番言いたいのは『一歩を踏み出してみよう』という言葉です。重い経験をしたからか、なかなか新しい一歩を踏み出せない子が多いと感じます。でも、僕自身応援メッセージが言えるようになったのも、『そういう立場になろう』と一歩を踏み出したからなんです。

とりあえず一歩を踏み出してみて、よかったら進めばいいし、ダメなら戻ればいい。一回失敗しても人生が終わるわけじゃない。そうやって挑戦を繰り返して、自分だけの『家族』と呼べる存在を見つけてほしいと思います」

クリスチャンさんの今後の夢

クリスチャンさんは自分の経験を生かして、「生きづらさ」を抱える人たちにメッセージを伝えるメッセンジャーになりたいと考えています。

「今は被害者としての経験を、虐待を受けた未成年や孤児院の子供に話す活動をしています。将来的には、加害者でもあった経験をもとに、虐待に類する行動をしてしまった人と『二度と過ちを起こさないために何をするべきか』を考えていきたいです。

教会や信仰が僕を助けてくれたので、神学校に通って牧師になることを考えています」

クリスチャンさんの挑戦は、まだ始まったばかりです。

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