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アラフィフライター(50代)がこの年になって気づいた、不便や面倒の心地よさ

唐突ですが、大阪でほぼ毎日運航されていて、無料で乗れる船をご存知ですか。

先日、その船に乗ってきました。

船といっても、渡し船です。西成区から大正区に渡る「落合上渡船」です。大阪には渡し船が落合上渡船を含めて8箇所もあります。渡し舟は道路の一部と考えられているので、“無料”です。

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渡し船で川を渡ると

「落合上渡船」の乗船時間はたったの2分。対岸は見えています。
100mあるかないかという距離でしょうか。ふつうに歩いても2分とかかりません。

乗船しようと思ったら、船が出たばかりで、しばらく待たなければなりませんでした。

私は物見遊山で来ているのでいいですが、考えてみれば地元の人にしたら不便な話しですよね。24時間動いているわけではないし、悪天候のときは運行されません。橋まで回り道をすると相当遠回りです。天候もよく乗船も心地よかったですが、雨の日や寒い日などはちょっと大変そうです。

船に乗ると、船員さんはひとりひとりに声を掛けます。
「こんにちは」、「いってらっしゃい」、「おつかれさま」といった具合に。

そして、乗客は「ありがとう」とはっきりとした口調で言ってました。

買い物客や通勤・通学客などはいつも利用していると思いますので、顔見知りになっていることもあるでしょう。

しかし、初めての私にもよそよそしい感じもなく、他の人と同じように声を掛けてくれました。ちょっぴり照れてしまいましたが、私も「ありがとう」と大きな声で言いました。

あいさつの難しさ

あいさつはとても大事です。職場でいつもそう言っています。私もお手本のつもりで、会った人みんなにあいさつするようにしています。

が、なかなか「みんな」というわけにはいきません。やはり目を背けられたりすることもあれば、逆にこっちがあいさつする気持ちになれないときもあります。なので、なかなか「みんな」とはいきません。

不便で面倒なことを乗りこえる方法

渡し船の船員さんは、全員にあいさつしておられました。

しかも、あいさつが前に述べたようにお仕事帰りの方には「お疲れさま」、いまから友達のところに行く予定のような若い女の子には「いってらっしゃい」とちゃんと使い分けておられました。

さらに驚くのは、船員のみなさんは大阪市の職員だということです。民間のように多くの人に利用してもらったからといって給料が上がるのでもないでしょうに。

渡し船で対岸に渡るには、手間隙をかけざるをえません。不便で面倒です。不便で面倒だからこそ、船員さんたちの「お疲れさま」や「いってらっしゃい」は渡る方の手間隙をねぎらってくれている言葉なんだと思いました。

だから私は嬉しかったのでしょう。

もちろん、「ありがとう」は船員さんの手間暇をねぎらう言葉です。

不便で面倒なのもいいもんだ

不便や面倒を解消するために、いろんな努力がなされていますね。

狭い道路を拡幅する、面倒な家事を助けてくれる家電製品や便利グッズなどがそれに当たるかもしれません。あるいは、様々な代行サービスなどもそれに該当するでしょう。

確かに狭い道路が広くなれば、通りやすいです。でも、狭くて通りにくいときに行っていた譲り合いはなくなります。もう、対向車のことは考えなくてよくなりました。

狭い時に譲ってもらって嬉しかったり、譲ってあげて感謝され、それがまた嬉しかったりといったことはもうありません。

渡し船では、不便で面倒なことを手間隙をねぎらう言葉のキャッチボールで克服していました。

不便で面倒なこともいいなぁと夕暮れの川面を流れる風の心地よさと相まってとても幸せな気持ちになったのでした。

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