発達障害ライターが聞いてみた!発達障害×認定心理士が立ち上げる、「生きやすい世の中を作る」組織とは

発達障害ライターが聞いてみた!発達障害×認定心理士が立ち上げる、「生きやすい世の中を作る」組織とは

どーも、スンダヴです。

最近、Youtubeシナリオの作成を請け負っています。
シナリオを描けるライターを探している方は、ご一報下さい。

今回の「発達障害×生き方企画」は、認定心理士の資格を保有し、音楽活動や当事者会運用などマルチに活躍されているADHD(注意欠陥・多動性障害)当事者、サーハルさんです!

当事者会を立ち上げたサーハルさん

認定心理士の視点から見た「発達障害が生きやすい世界を作る」方法、それを実現するための当事者会についてお聞きしましたので、ぜひご覧ください。

 

自分の可能性を試したい-認定心理士だけじゃない、サーハルさんのチャレンジングな人生

-まずお聞きしますが、発達障害の診断を受けていますか?

正式に診断を受けたのは大学生の時ですが、「自分は発達障害である」と高校生の時から知っていました。

 

-それはなぜですか?

高校3年生の時、友人から「君多分ADHDだよ」とはっきり言われました。

ご飯をこぼすなどの不注意、周りの空気を読まずに授業の訂正を行うこだわりの強さを見て、僕が発達障害だと感じたそうです。

 

-友人の観察力がすごいですね!

調べたら脳の障害であると分かり、「症状や特性についてもっと詳しく学びたい」と思ったので、大学で心理学を専攻して認定心理士となりました。

大学在学中に知能テストも受け、下りた診断がADHDです。言語性IQが120、動作性IQが82とかなりの差があります。

 

-発達障害の特性や困りごとはありますか?

典型的ですが、過集中の特性は強いですね。ライフワークである音楽活動に取り組んでいる時は、9時間以上ぶっ続けで継続したときもあります。心の中の火を、過集中で大きく燃え上がらせるイメージです。上手く使いこなせば、大きな成果と功績を残せると思います。

困りごとと言えば、細かい作業が求められる現場仕事が苦手です。

でも、今働いている会社は、現場仕事が中心となっています。

 

-どのような経緯で入社したんですか?

 実は、大学卒業後はプロとして音楽活動をやっていたんです。でも、色々あって企業との契約を解除することになり、フリーの音楽家に転身しました。その時、「どうせなら自分の可能性を試してみようと」と思って、2ヵ月の予定で現場仕事も始めました。

 

-好きな音楽活動だけでなく、苦手な現場にも飛び込むのがチャレンジングだなと感じます!

 ただ、色々あって、現在も仕事を継続しています。

職人の世界なので、発達障害の事を告げても「そんなことないでしょ」と流されてしまうのが悩みです。「動作性IQが低いと現場仕事はおすすめできない」と、今ならはっきり言えます。

 

-音楽活動に関しても詳しく聞かせてください

中学生の時、教師から「合唱コンクールでソリスト担当してください」と言われたのが、音楽活動の始まりです。

実は、高校も音楽のスキルを利用して推薦入学しました。

大学でも軽音楽のバンドを組んで活動していましたが、ある日先輩から「ラップやってよ」と言われ、ラップも学んでいます。

 

-音楽活動もマルチに活動されているんですね

でも、ラップは最初全然できなくて、周りからも笑われるレベルでした。悔しかったので、がむしゃらに練習して再度披露すると、「すげーうまい!」と褒められて嬉しかったですね。

そこからラップに熱中して、とある方からスカウトを受けてプロになりました。

 

-失敗をばねにして努力する強さを、僕も見習いたいです

 現在は先述した通り、契約を結ばずにフリーで活動しています。

たまに「なんでプロじゃないのに音楽やってるの?」と聞かれる時もありますが、僕は好きなこと=プロになるは違うと思うんです。仕事するのが悪いことではありませんが、まずは別々に捉えるべきですね。

お金になるかどうかではなく、自分の好きなことを追求する姿勢が重要だと感じます。

 

-認定心理士とは、どのような資格なのでしょうか?

心理学の基礎的な知識と技能を持つ人に与えられる資格です。ただ、あくまで「心理学の基礎素養を修めたよ」という状態なので、専門職としての就職は出来ません。

専門職を目指すなら、厳しい審査を経て取得する臨床心理士を目指す必要があります。心理学の領域を軽々しく扱うのは良くないので、はっきり宣言するようにはしていますね。

 

-認定心理士の資格を取得して、発達障害当事者が得られる知見はありますか?

「自分がなぜこういう人生なのか」というエビデンス(証拠)を得られるのが大きいです。

発達障害という概念は当事者の中でも曖昧ですが、心理学を利用して形式的に説明することが出来ます。表情や声色から他者の感情を分析する能力や論理的思考力も身に着けられるので、コミュニケーション能力も鍛えられました。

 

-成人した後から心理学を学んでも大丈夫ですか?

何歳からでも大丈夫ですよ!絶対音感のような臨界期(学習が成立しづらくなる限界の時期)はありません。

心理学は学んで遅すぎるということはない学問なので、積極的に学習しましょう。

 

好きなモノに触れよう-サーハルさんが考える「生きづらさからの解放」とは

-発達障害全体の生きづらさを変えるポイントは何だと思いますか?

まずは、地方の認知を変えていくことですね。僕も住んでいるから分かりますが、地方では発達障害は占いと同じカテゴリーで扱われています。

つまり、リテラシーが低い状態が続いているんです。

発達障害も脳という臓器の問題ですから、本来なら心臓病と変わりません。ですが、知識を持っている方が少ない地方では、村社会の閉鎖的空間に阻まれ、正しい認知は広まっていないのが現状です。

 

-都市部での認知もまだまだですからね…

 「株式会社Kaien」など、発達障害の個性を伸ばす企業も現れていますが、結局は都市が中心ですね。

就労移行支援事業所 株式会社Kaien
https://www.kaien-lab.com/

地方には、まだまだ影響力が及んでいないと感じます。「甘えではなく脳の問題なんだよ」というメッセージを発して、地方を変えていくのが目標です。

 

-同じ世代で生きづらさを抱えている成人の発達障害当事者に、どのようなアドバイスを行いますか?

 仕事で生きづらさを抱えている方が多いと思うので、まずは「やめられるなら会社をやめてもいい」とアドバイスします。退職は労働者の権利ですし、自分がつらいのなら躊躇する必要はありません。

一度やめてみて、静養の期間を取りましょう。

 

-やめた後は、どのように行動するべきだと思いますか?

なるべく「良いもの」に触れる時間を作ってください。自然や音楽など、自分が「良いもの」と思えば何でも構いません。余裕があれば、旅行をしてみるのもよいでしょう。

そうすれば、「なぜつまらないことで苦しんでいたんだろう」と自分を取り戻せるはずです。

 

-自分を取り戻した後は、何をすべきですか?

すぐ社会復帰はリスクが高いので、小さなことから始めるのがおすすめです。ウォーキングで直射日光を浴びると、セロトニンという神経が活性化して、うつ状態からの回復を促します。

ウォーキングに慣れたら、ジムで肉体を鍛えるのもおすすめです。体調を左右するホルモンであるテストステロンが活性化して、失われた自尊感情や活力を少しずつ取り戻してくれます。

 

-神経やホルモンの活性化が重要なんですね。

その後、自分の子供時代を思い返して、「○○が好きだったな」、「○○は得意だったな」のような「好きなこと」を探しましょう。

「好きなこと」が見つかれば、副業でも趣味でもいいので、実践してみてください。例えお金にならなくても、人生を通して好きと言えることを追求するのは、マイナスにはなりませんよ。

「好きなこと」を続ければ、自分の才能や得意分野がわかり、仕事につながるヒントも見えてきます。そこにフォーカスを当て、生きづらさから抜け出しましょう。

 

-取材を重ねると、「発達障害診断を受けて落ち込む人とポジティブな人がいる」と感じます。これはなぜだと思いますか?

 これは、家庭環境の違いからくると思います。

愛情を注がれて育った方は自己肯定感が育ち、診断を受けても「自分には受け入れてくれる人がいる」とポジティブに捉えられます。

愛情不足のまま成人になった場合は自己肯定感が低く、「自分はマイナスの人間なんだ」とショックを受けてしまうのです。

家庭環境は根深い問題で簡単には解決できませんが、経験をポジティブなものとして捉える、自分の凸部分を探すなどして、少しずつ立ち直りましょう。

 

-「発達障害当事者の間で争いが絶えない」という意見がありますが、どういう風に持っていくのがベストだと思いますか?

 僕たちも人間ですから、全員で仲良くするのは難しいかもしれません。むしろ、「色んな人がいるのだから多少の軋轢があってもおかしくない」と考えましょう。

一つ言えるとすれば、価値観が違うと感じた人とは、むやみに争わずそっと距離を取るのが大事ですね。

生きづらさを解消するには「好きなこと」の発見がもっとも大事なので、どのような状態なら自分は楽しいか?を考える方が建設的です。

 

凸の部分を生かす-サーハルさんが立ち上げた「feat」の理念

-最近、新たに当事者を立ち上げたとお聞きしました。どのような経緯で立ち上げたのですか?

「発達障害当事者のリアルを見たい」という想いがあって立ち上げました。

現時点では仮名ですが、feat」(フィーチ)と名付けています。

当事者だけでなく、発達障害を知りたいと感じている定型の方・カウンセラーや臨床心理士といった専門職の方もお呼びしているのが特徴です。

 

-サーハルさんならではの特徴ですね!どのような狙いがありますか?

 色々な背景を持つ方をお呼びし、深い部分まで徹底的にディスカッションすることで、「僕たちはどう生きればいいのだろう」というテーマを深めるのが狙いです。

専門職の方は発達障害について学術的に語ってくれますので、当事者の学びがより深まる効果もあります。

 

-とても魅力的な当事者会ですね!実際にどのような方が来られていますか?

僕と同じ年齢の方、40代の方、大学生の方、休職中の方など、とても幅広いですね。

一人例を挙げるなら、40代の方は大手外資系企業に務めているサラリーマンです。発達障害が長年認知されてなったので、診断を受けたのはごく最近となります。海外で色々な経験を積んだ結果、「自分には外資系が向いている」と感じ、働く事を決めたそうです。

お話を聞くと、「好きなこと」=凸部分を生かしているから活躍していると感じましたね。

今後は、「好きなこと」を追及している人の方が人生を楽しめると確信できました。動作性IQが140もある職人など、面白い方は他にもたくさんいらっしゃいますよ。

 

-組織の理念はありますか?

互いを認め合う、良い意味で距離を置くですかね。過干渉だとみんな感情的になり、良くない方向に行きます。個々人がストレスを感じない程度の生活を提供できる組織にしたいですね。

 

-印象に残っているエピソードはありますか?

実は、初めて開催したとき、会場に誰もいなかったんです(笑)「何人か遅刻するだろう」とは思っていましたが、さすがに驚きましたね。

でも、少しずつ人が集まってきて、時間が少ない分逆に濃密な話し合いが出来ました。

そのとき、「遅刻しても大きなデメリットってないな」という気付きを得ましたね。視野が広く、発言は正論で論理的な人達が、現代社会では認められずに不当な扱いを受けるのは問題だなと思います。例え発達障害当事者が40分遅刻しても、やり方次第ではカバーできますし、それを責めても仕方ありません。

むしろパニックを起こしてしまい、本来備えてる凸の部分を発揮できない結果に終わると思います。

デメリットを責めるよりは 寛容に受け止めてプラスに転換する社会になってほしいですね。

 

-当事者会の参加者は、どのような気づきを得られますか?

 多種多様な知見や経験を持つ方が集まるので、本だけでは気づけなかった学びを得られます。今まで言語化できてなかった部分を、自分で説明できるようになる方も多いです。

特に大学生の人は 社会に出て地雷を踏まないようなコミュニケーションを、先輩の当事者から学べます。

 

-当事者会の最終的な目標はなんですか?

発達障害の、人生伴走トレーナーを育成することです。当事者を真摯にサポートできるトレーナーを輩出したいので、認定心理士として学んだ知識も活用していきます。

臨床心理士レベルではないので本格的な心理療法は扱いませんが、知識や手法を可能な限り教えたいです。

 

-トレーナーが誕生する日が楽しみですね!

また、僕自身が多忙となってきたので、当事者全員が参加できる組織を目指し、運営委員も立ち上げています。メンバーには場所の確保やスケジューリングをお願いしており、「自分も組織の役に立っている」と実感してくれるのが狙いです。

参加者が成功体験を積み重ねれば、組織の輪も広がっていくと思います。

音楽活動、当事者会、トレーナー育成と多忙になってきたので、体調管理には気をつけたいです。


音楽+発達障害-サーハルさんのマルチな夢

-様々な活動をお聞きしましたが、サーハルさん個人の目標はなんですか?

 音楽活動では、現在学んでいるバイオリンで、30歳までに難曲を演奏したいです。発達障害に関しては、地方から認知を広げる活動を継続したいと考えています。最初は小さなスケールですが、徐々に大きくしたいですね。

当事者の相談も受け付けますので、悩みがある方は相談してください。

 

-この記事を読んでくれた方に〆の一言をお願いします!

そうですね・・・長くなるので画像でお伝えします!

悲観的にならず、尊重しあえる社会を目指して一緒に頑張りましょう!

宣伝

・サーハルさんのTwitterアカウント
https://twitter.com/fpkewhs1021

・サーハルさんの当事者会「feat」

開催日時:毎月第3土曜日
開催場所:池袋or秋葉原周辺のレンタル会議室
※コロナウィルス流行の影響により、次回開催は未定

 

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