どーも、スンダヴ@1PVFisXfm6gY8qdです。最近は温かくなってきましたが、夏がどれだけ暑くなるか心配でたまりません。
「発達障害×生き方」記事の第三弾は、発達障害グレーゾーン、虐待サバイバー、ミニマリストなど様々な経歴を持つ都さん@miyakokara です。
発達障害と聞くと「生きづらさを抱えている…」というイメージを浮かべる方も多いですが、都さんは【圧倒的に自由で身軽に楽しく生きる】をテーマに楽しく自由に活動しております。
そんな都さんのエネルギーはどこから生まれるのか?それを探ることで、「発達障害当事者が人生を楽しく生きる方法」のヒントが見えてきました。
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虐待、発達障害…生きづらさと隣り合わせだった彼女の半生
都さんは、幼少期に虐待を経験された「虐待サバイバー」です。弟と共に虐待・ネグレクトを受け、児童相談所に保護されました。その経験は長い間都さんを苦しめ、鬱や解離性障害を発症し自殺未遂を起こすこともあったのです。
「いわゆる普通とは違う環境で育ちました。ちょっとしたことで幸せを感じる、へこたれない、切り替えができるという自分の性格は、この時培われたと思います」。
また、都さんは近年、多動性や不注意など自身にADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴があると感じています。確定診断はいまだ降りていないグレーゾーンです。弟は、ASD(自閉症スペクトラム障害)と既に診断されています。
「短期記憶を忘れる、落とし物が多い、待つことが苦手、集中力が続かないと思ったら過集中になり自身のコントロールが効かない時があります。10代の時は特にひどかったです。弟は、保護された直後の小学校2年生にASDの診断を受けています。細かいことに対する集中力は優れていますが、コミュニケーションが苦手、頑固で融通が利かないといった特性があります」。
自分だけの人生を楽しもう!発達障害の特性と上手に付き合う方法
このように自身の境遇を語った都さんですが、表情は明るくエネルギーに満ちていました。
現在の彼女の活動は
①会社に囚われない働き方を実現
②自身の経験をもとに虐待防止活動を行う虐待サバイバー
③自分にとって必要なものだけで暮らすミニマリスト
④1つの場所に定住しない暮らし方を発信
など多岐にわたります。
また、「あらゆるものに縛られず、自分軸で自由気ままに楽しく生きる」をテーマに運営しているブログ「自由人法帳」では、生きづらさ克服のライフハックや圧倒的に自由に生きるための方法を発信しています。
今回は、企画のテーマに沿って、発達障害の当事者が悩んでいる「仕事の進め方」、「日常生活の送り方」「生きづらさの乗り越え方」に絞ってお話を伺いました。
仕事のやり方
都さんは高校卒業と同時に家を出て、専門学校に通いながらアルバイトに明け暮れましたが、無理がたたり寝たきりの状態に。
そんな都さんを支えたのが、チャットレディ・ライター・アフィリエイト・せどりなどインターネットを介して在宅でできる仕事でした。
その結果、「お金を稼ぐ方法は、会社で雇われることだけじゃない」と考えるようになり、現在に至るまで様々な仕事を組み合わせて生活しています。
「とにかく、【好奇心をもって仕事を面白がる】ことを心がけています。仕事場で新しいものを見かけたら、もう一回やってください!と教えてもらうのです。
もちろん、自分の特性もあるのでうまくいかない時もありますが、その時は【いい意味であきらめる】。苦手な分野はあるが、その分自分の得意な分野で貢献したい!という意思表示が大事です」。
日常生活の送り方
最小限のもので暮らすミニマリストとして活動しながら、一つの場所に定住しない・固執しない暮らし方を発信する都さん。
しかし、発達障害の特性で苦労をすることもあります。そんな時は、独自の努力を重ねて対処してきました。
「まず、自分が分からないと感じたことは徹底的に調べます。「○○ 方法」などで検索し、1ページ目の最初から順に読むことで、本質をつかんでいくんです」。
生きづらさを解消するためのライフハックも多数考案し、実行に移しています。
「電車の乗り間違えをよくするのですが、対策として【インターネットで乗り換え方法を検索し、それをスマホのスクリーンショットで保存していつでも見られるようにする】手法を編み出しました。
思いついたことがツイッターのタイムラインのようにどんどん流れてしまうという悩みには、【思いついたことをLINEのメモ帳に片っ端から書いていき、忘れても思い出せる仕組みを作る】という対策を施しています。カギも良く落とすので、スマホポシェットに入れて管理することにしました」。
スマホポシェットに入れれば、鍵の場所が一目瞭然
生きづらさの乗り越え方
様々な経歴から来る生きづらさを抱えている都さんですが、あえて自分の過去を積極的に開示することで立ち向かおうとしています。
「発達障害、虐待サバイバー、LGBTに関する発信をブログで行っていますが、正直めちゃめちゃ怖いです。心無い言葉が来ることもありました。でも、荷物を下ろせた感もあるのです。本音で生きれば去っていく人もいますが、偽りなしの本当の自分を好きになってくれる仲間が集まってきます」。
また、発達障害による悩みや恐怖を当事者が乗り越えるために以下のような考え方が重要だと考えています。
「【未来のことを考えすぎない】ようにするのが大事です。未来を考えすぎてしまうと、悪い想像ばかりが頭をよぎり動けなくなってしまいます。今やるべきことを考え、【自分の人生を決めるのは自分】という意識が生きづらさを和らげます」。
支えるのではなく、補う。発達障害の弟から得た気づきとメッセージ
このように強い意志を持って行動されている都さんですが、自分一人だけの力ではなく、正反対の特性を持つ弟の影響が大きかったと回想しています。
「私はLGBTの特性も持っていますが、それを初めて打ち明けたのは弟でした。弟は人の感情を読み取るのは苦手です。なので、共感はしませんが理解はしてくれました。特性があるからこそ、偏見のない視点から自分のことを見てくれたと感じます。
コミュニケーションは苦手だけど細かな所が得意な弟、コミュニケーションは得意だけど細かな所は苦手な私。正反対だからこそ、互いに強い部分弱い部分を補って生きています」。
精神的につらい時期、悩む都さんにヒントをくれたのも弟でした。
「私は、幼少期に色々なことを感じ取りすぎて、学生時代は非常に不安定でした。自分のことを考えるのを忘れて、人のことばかり考えていたのです。そんなある日、電車の中で座っていると、おばあちゃんが目の前を通りました。私は非常に体調が悪かったのですが、弟に席、譲ったほうがいいかな?と相談しました。
しかし、弟は【自分がしんどいのに無理する必要はない】ときっぱり言いきったのです。弟は【まず自分ありき】の考えを強く持っており、それは幼少期の経験を経ても変わりませんでした。
私は【あ、自分のことも考えていいんだ】と気づき、考え方を変える事が出来ました。弟から学んだことはたくさんあります」。
早期に発達障害と診断された弟を気遣い、「私が支えなくては!」と思った時期もありましたが、現在の都さんの考えは違います。
「どちらかが支える、ではなく、【お互い自分の人生は自分でなんとかする。背負いあうのではなく、自分の足でしっかりと立つ】関係でいたいと考えています。突き放しているわけではありません。信頼しているからこそ、お互いに尊重しあい、相互扶助する関係でいたいのです。
弟は現在プログラミングの専門学校に通っており、卒業したら自分の人生を切り開いてほしい。それができると信じています」。
様々な生きづらさを抱えながらも、それを乗り越え自分らしい人生を歩んでいる都さん。最後に、同じく生きづらさを抱えている方に対するメッセージをいただきました。
「もっと自分のことを考えてほしいです。悩みがなかなか解消されない人は、自分の考えがすっぽり抜け落ちていると感じます。外部からどう見られるかではなく、内側の感情や思いに耳を傾けてみてください」。
都さんブログ「自由人法帳」
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