「書いたら、笑顔になる」。
3年ぶりに開いたXから、カラフルで手書き風の”大阪ものかき隊”のロゴ(特にトランペットのイラストが明るさを象徴しているよう)と一緒に、このフレーズが目に飛び込んできた。気持ちが明るくなり、懐かしさが心に浮かんでくる。
実は私は、過去に一度ライターにチャレンジしようと大阪ものかき隊に入隊したものの、個人的な事情があって、やむなく挫折していた過去を持つ。しかし「もう一度、もの書きにチャレンジしてみたい!!」と再び門を叩いた。
大阪ものかき隊は以前と変わることなく、温かく迎え入れてくれた。「もの書きになりたい」と思っても、実際はどうしたらいいか分からないもの。その術とともに、「ライターとしての身なりをととのえる」3カ月間の基礎講座があるのは心強い。そして、同じタイミングで入隊した「同期」という仲間ができるのも楽しみだ。
語彙力のなさを痛感
第1回の基礎講座は「ライターとしてのタイプを知る」だった。濃密な講義で、あっという間に2時間がたった。普段はなまけている脳みそのシワから音が出てしまいそうなくらい集中できた。
内容としてはレギュレーションを守ることの大切さ、マナー・コミュニケーションについての学びとともに、自身がクリエイターと商業ライターのどちらが向いているのかを考える参考にもなるワークに取り組んだ。ワークは、「自分自身のキャッチコピーを考える」というもので、「何を」「誰に」「どう貢献するのか」が大切だと知った。
加えて私は、語彙力のなさを痛感した。私は言葉を使って、何を届けることができるのだろうか?キャッチコピーはすぐには決まらず、これは3ヶ月間の課題になった。
「マーケティングは思いやり」
第2回の基礎講座は「マーケティング思考を身につける」というテーマだった。本田隊長からの「マーケティングは思いやり」とのフレーズには、思わずハッとさせられた。マーケティングと聞いて、私は手法ばかりに意識が向いていたのだが、それよりも大切な軸を忘れていたことに気付かされた。「思いやり」は根幹。これからも、大切にしたい。
また、今回までの課題としてだされていた競合調査(自分と同じ属性で、活動していくうえで競合となりそうな人をWeb上から見つけるという内容)では、私は表現が好きな人の調査にとどまってしまった。
少し脱線するが、その中の一人が、「あの坂をのぼれば」の作者である杉みき子さん。私が中学1年生の頃、教科書に載っていたこともあって印象に残っている作家さんだ。改めてこの作品を読んでみると、不思議なことに教科書を朗読していた当時の国語の先生の顔や、声、教室の景色が蘇ってきたのだ。さらに、記憶が刺激されたのか、ずいぶん長い間会っていない友達の夢もみた。
「あの坂をのぼれば」という言葉で、当時の光景・空気感まで蘇り、音楽に劣らない言葉の持つ力を実感することができた。言葉はときに、タイムマシーンのような力を持つことを実感した。
誰かの物語を引き出してみたい
同期の仲間からの後押しもあり、講座の後でプロフィール作成をレクチャーしていただける機会に恵まれた。
プロフィールについて学んだあと、同期でインタビューをし合い、互いの内面の情報を引き出した。インタビューをしてくれる仲間が上手だったこともあって、話したい話題が次々浮かんで楽しくなった。また、質問されて自分像がクリアになっていった。私もいつか、誰かへの取材を通して、その方の内面に眠る物語を引き出してみたい。
このインタビューの経験を通して、私は、35年の間手紙で交流を続けている、小学校時代の校長先生を取材するという1つの目標ができた。先生は、いつも手紙の締めくくりに、応援団のイラストと共に「あなたの応援団長!より」と添えてくださっている。また、家族が入院した時も、わざわざお電話をくださった。御年93歳。広島での原爆もご経験され、長い間、教育や地域の活動を精力的にされた先生の人生には、はなり知れない物語が眠っているに違いない。長年の感謝の気持ちを込めて、先生の人生の物語を引き出したい。
成功の定義を決める!
基礎講座の最終回のテーマは「成功の定義を決める」だ。3ヶ月の講座を通して「変化したことは何か」「誰に向けて何を届けたいか」「最終的にどうなりたいか」を、お互いに質問し合いブラッシュアップしていった。あいまいな表現、抽象的な部分を具体的に質問し合うことで、漠然としていた自身の考えがどんどんクリアになっていった。
ワークを通して、私は「ときには理不尽といえるさまざまな体験も、発信することで同じような悩みを抱えている方が共感し、気持ちが軽くなること」を望んでいることがわかった。
将来的には、取材を通じて社会問題にも深く切り込み、多角的な視点から世の中にメッセージを届けられるライターになりたいという目標もできた。
死ぬまでに、誰かの心に雲の間から差し込む光のように、文章で心を明るくしてみたい。
「書いたら、笑顔になる」に導かれて
「書いたら、笑顔になる」。このフレーズには主語がない。「書いたら、自分が笑顔になる」とも、「書いたら、誰かが笑顔になれる」とも受けとれる。深遠なフレーズだ。
このフレーズに導かれて学んだ3ヶ月間は、濃密で気づきに満ちた時間となった。
語彙の少なさや物事を順序立てた話し方が苦手な事を痛感した。
「マーケティングは思いやり」という軸を学んだ。
同期の仲間とのインタビューを通して、誰かの物語を引き出す喜びや、質問によって思考がクリアになるという体験をした。
本田隊長の「思いやり」溢れる講義と、生涯つき合える同期の仲間との出会いは宝物だ。私もいつか、「書いたら、自分が笑顔になる」だけでなく、「書いたら、誰かが笑顔になれる」文章を書けるようになりたい。


