コワーキングスペースマニアが読み解くコワーキングスペース 「今までのコワーキングスペースとは違うOntheUMEDA解体新書 その1」

コワーキングスペースマニアが読み解くコワーキングスペース  「今までのコワーキングスペースとは違うOntheUMEDA解体新書 その1」

コワーキングスペースマニアが読み解くコワーキングスペース
「今までのコワーキングスペースとは違うOntheUMEDA解体新書 その1」

 

【大きな窓から見えるコワーキングの現在】

何といっても、3メートルを優に超える路面に面した窓は、この施設を象徴しているものの一つだ。

今まで私が見てきたコワーキングスペースは、壁で囲われた狭い空間であることが多かった。これは、「スペース」であることを主張するために内と外の区別をはっきりさせることとつながっている。一般的にコワーキングスペースは、“閉じられた空間”なのだ。

On the UMEDAの大きな窓は、通りとの区別をなくしてしまう。外の景色もコワーキングスペースの一つのアイテムのようだ。それがゆえに、外が暗くなったら、それに連動するかのように、照明の色が白色から暖色に変わる。

それは、“開かれた空間”なのである。従来のコワーキングスペースあり方と逆である。

 

【コワーキングの醍醐味】

コワーキングスペース運営の根幹部分である会員制度でさえ、10分で160円と破格のドロップインプランがある。これなら、利用できる人の範囲はぐっと増えそうだ。

一般的に、コワーキングスペースでは安定的な収益を考えて、スペースを囲うように、会員を囲ってしまう。非会員のドロップインを認めないという形でそれは現れる。

照明のデザインも天井のアーチも大阪メトロ御堂筋線の心斎橋駅を模している。ここにも意味がある。なぜなら、駅は誰もが利用することができる。つまり、“開かれた”場所なのだ。

誰にも開かれ、様々な人が交差し、交流する。そこで、何かが生まれる。これこそが、コワーキングスペースの醍醐味だ。

 

【適度な距離の仕掛け】

閉じた空間での交流では、関係は作りやすいかもしれないが、距離が近すぎて、時には身動きが取れなくなることもあるかもしれない。俗にいう「濃いぃー」関係である。開いているからこそ、適度に関わることができるのではないか。

On the UMEDA1Fの机に座ってみるといい。照明のバーがちょうど目の高さに来て向かいの人が気にならない構造になっている。さらにこのバーの形から、向かいの人との間に透明の板があるように感じてしまう。

人がいることは分かっているのだが、姿は見えない、まるで「障子」のようでもある。

 

【開かれたコワーキングの秘密】

このような“開いた”コワーキングスペースは、どうして可能になったのだろうか。

その秘密は、このコワーキングスペースができたプロセスにある。どういうことか。このコワーキングスペースが出来上がるまでのプロセスに、“利用者”が関わっているのだ。

このOn theUMEDAを運営している株式会社まなれぼが開設、運営しているコワーキングスペースが大阪ビジネスパークにあるOBPアカデミアである。このOBPアカデミアの会員たちが、設計、ロゴデザイン、ネーミングなどに当たっているのだ。

コワーキングスペースを作るために、“コワーキング”したわけである。

コワーキングスペースのサービスを提供するだけでなく、自らの仕事の一部を“開放”してしまうという運営会社である株式会社まなれぼの姿勢が、従来にない“開かれた”コワーキングを生んだと言っても過言ではないだろう。

このOnthe UMEDAは大阪駅が近い。そこで、この“開かれた”窓には、各バス会社の路線バスだけではなく、高速バスも頻繁にその姿を現す。

これは、『バス名鑑』を持っているようなバスマニアには堪えられないコワーキングスペースでもある。