コワーキングスペースマニアが読み解くコワーキングスペース 「今までのコワーキングスペースとは違うONtheUMEDA解体新書 その3」

コワーキングスペースマニアが読み解くコワーキングスペース  「今までのコワーキングスペースとは違うONtheUMEDA解体新書 その3」

コワーキングスペースマニアが読み解くコワーキングスペース

「今までのコワーキングスペースとは違うONtheUMEDA解体新書 その3」

 

落ち着いた上に、奥ゆかしい

ONthe UMEDAには、地下2階にもスペースがある。地下2階は、基本的に集中するスペースだ。個別ブースと向かい合わせのカウンターになっている席がある。

他にも固定席として、ドアで区切られたスペースにさらに扉のついた個室(別途有料)がある。また、会員専用ではあるがナップルームもある。

地下2階はさらに、ドリンクカウンターやトークボックス(電話などができるボックス)、円形のソファーがある。集中スペースということもあるが、基本的に1階と比べて落ち着いた雰囲気だ。

地下2階は、そのまま「ホワイティうめだ」という地下街に直結している。ただこの直結の仕方もなかなか。りそな銀行のATMコーナーのさらに奥なのだ。

もちろん、地下街に面して「ONthe UMEDA」を表すサインボードはあるが、風景に見えてしまうぐらい、強烈に主張をしてこない。実に奥ゆかしい。

 

48cmに秘められた仕掛け

落ち着いていて、奥ゆかしいONthe UMEDAの地下2階ではあるが、これがなかなか。個別ブースは48cmの壁で三方を囲われているが、この仕掛けがすごい。

パソコン作業などをしていると、全く個室にいるかのように前方が遮断される。しかし、ひとたび、画面を見るために下げていた視線を上げると、遮断している壁の向こうが見える。当たり前と言えば、当たり前だ。視線を変えたのだから。

何がすごいかというと、他と一旦、遮断して集中しようと思えばできるし、誰かが前方を歩いているのが気になれば、視線を上げればいい。しかも、視線を落として集中していると、ブースの向こうからは見えづらい。つまり、隠れようと思えば隠れられるのだ。

 

梅田で自由にかくれんぼ

こんな隠れることができる場所が地下2階にはまだある。先ほど上げた、固定席もそうだ。固定席では、扉を閉めることまでできるので、完全に隠れることができる。会員専用のナップルームも隠れることができる場所だ。

個別ブースで視線さえ落とせば、簡単に隠れられる。また、固定席やナップルームを使えば完全に隠れられる。大阪のど真ん中、梅田それも曾根崎警察の隣にあるONthe UMEDAでは、隠れたり、現れたり、もう自由自在なのだ。

 

強制的に開かされ、頑なに閉している社会

現代社会では、個人がとても尊重される。その一つが個人情報保護法に代表される。個人情報の保護だろう。とても大切なプライバシーを守る権利である。

しかしながら、社会活動を行なう上において、この“個人情報保護”がネックになったことはないだろうか。大変窮屈な思いをしたが、プライバシーはそこまで尊重されるべきものなのだと、飲み込んだ。

 

その一方で、携帯電話の位置情報をONにしていると、自分がいつどこに居たのかという情報がしっかりと記録されている。キャッシュレス決済の情報などと紐づけると、何を購入したのかということまで知られてしまう。

 

ONthe UMEDAを一歩出てみると、大勢の人が地下街を歩いている。この大勢の方々もきっと位置情報をONし、キャッシュレス決済をしているだろう。かく言う私も、地図アプリを使うことが多くいので位置情報はON、割引が魅力なので、キャッシュレス決済をしている。

 

ONtheUMEDAが客体化された私たちをちょっとだけ救う

私たちはもはや、消費する(労働する)客体でしかない。社会は私たちをそのように扱っている。コワーキングスペースで仕事をしているフリーランスだって、その意味では自由ではない。仕事はするものではなく、させられるものなのだ。

 

気になっても他が見えない、あるいは、身を潜めたいがあからさまになってしまうというコワーキングスペースが多いなか、ONthe UMEDAは少し違う。隠れるも隠れないも自由だ。そして選ぶことができる。それも、少し視線を上げ下げするだけで。

 

 

私はこの「ちょっと」のことが重要だと思っている。自分でどのように振る舞うのかが余白として少しだけかもしれないが残されている。その余白はどのように使ってもいい。その使い方を考えることこそが考える主体として自分を取り戻すことなのだ。ちょっとだけだけど。

だから、ONthe UMEDAは心地よいのだ。さらに、“させられ仕事”ではなくなりので、仕事が進むのだ。

 

最後に 奥の秘密を解き明かす

主体化した人同士が、出会う場がONthe UMEDAである。だからこそ、そこでの出会いは、何が起こるか分からない。つまり、予定調和ではなく、予期せぬことが起こる。見知らぬ者同士がであっても、実は…というつながりがあったり、ビジネスに話が広がったり。まさに予断を許さない。

そんな何が起こるか「わからない」、簡単に説明できない場所が、ONthe UMEDAなのだ。だから、ONthe UMEDAは、地下街から直結していてもちょっと奥まっていて「わかりにくい」場所にある理由もそこにある。と思う。

ちなみに、ONthe UMEDAのコンセプトは、「ふらっと立ち寄り、出会い、繋がり、そして拡がる。自身の可能性をさらにアップデートできる、そんな仕掛けが詰まった大人の居場所」一読しただけでは「分かりにくい」かもしれない。

これは、行って確かめるしかないね。