【ライター基礎講座 受講生コラム】ライターを「始める」って、こういうことだった——大阪ものかき隊で見つけた“わたし”のスタートライン

スタートライン

大阪ものかき隊に入隊して一番に得たものは「自分がライターとしてのスタートラインに立った」という自信だった。

手探りで始めた副業ライター。孤独に道を切りひらく、過酷な道のりだとは聞いていたが、わたしからはフワフワ感が抜けなかった。これからどう進めばいいのだろう、と思い悩んでいたときに、ものかき隊を見つけて思わず飛び込んだ。

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ものかき隊に飛び込んだ理由

わたしがものかき隊を知ったのは、「ライターを目指そう!」と動き始めて3ヶ月ほど経った頃だった。残業が多く、仕事中心の生活が、転職により一転した。自由な時間を持て余し、「副業で稼ぎたい」「一生もののスキルを身につけたい」と考えた末に行き着いたのが、副業ライターだった。

ネットで調べた知識で、なんとかプロフィールを作成し、ライティング案件に数件挑戦してみたものの、「これで合ってるの……?」という感覚がぬぐえなかった。書くことはできる。だけど、自分の中に確かな手応えがなかった。どこかフワフワとしたまま進んでいるような気がしていた。

このままでいいのか。なにかが足りない気がする。そう思っていた時に出会ったのが、「大阪ものかき隊」だった。講座の紹介文を読んで、「これがわたしに必要なことだ!」と入隊を決意した。

わたしがライターになるために必要だったこと

「ライター基礎講座」は、「ライターとしての身なりをととのえる」ことを目的として、3回の講座で構成される。

私には「副業で稼ぎたい」「生涯役に立ちそうなスキルを身につけたい」という動機はあった。だが、「自分はどんなライターなのか」「なにをミッションとし、なにを書いていくのか」というビジョンはなかった。これでは、進みたいと思った先に道がないのと同じだ。だから、フワフワとした感覚がずっとあったのだ。

「さぁ、これからライターとして進んでいくためのビジョンを見つけるぞ」という、まっさらな気持ちで、講座に挑んだ。

定まらないキャッチコピー……でもぼんやりと世界観が見えてきた!

全3回行われる講座のテーマはそれぞれ以下の通りだ。
第1回「自身のキャッチコピーを考える」
第2回「マーケティング思考を持つ」
第3回「ロードマップを決める」

講座は、話を聞くだけではなく、ワークに取り組んだり、同期である受講生の意見を聞きたりしながら進めていく。まっしろだった私のライターとしてのビジョンも、おぼろげながら、何か景色のような、形のようなものが見えてくる。

どの講座も刺激的だったが、特に印象的だったのが第1回の「キャッチコピー」の回だ。いきなり重い課題で、身構えた。
今まで、自分がどんなライターなのか、もしくはどんなライターを目指したいのか、考えたこともなかった。ただ、「私はこのようなライターです」と一言で紹介できることは、ライター業を始める上で必須だということは理解できた。

どんなライターになりたいのか、と言われると漠然としすぎていてピンとこないけど、「どんな世界に影響を与えたいか」「どのような武器を使うのか」「その世界をどうしたいのか」という切り口を与えてもらうことで、何となく自分がどんなライターになりたいのかが見えてきた。わたしは実はこういう価値観を持っていたんだ……という気づきすら得られた。

ライティングの技術は本から学ぶことができる。そして、自分のライティングスキルを上げるには、たくさん書いて、経験を積み重ねるしかない。
だけど、ライターとしての自分の内面を深く追求する機会は、自分だけの活動ではなかなか得られるものではない。ものかき隊というコミュニティに属したからこそ、得られた体験だった。

自分の目指すライター像を繰り返し考える

講座では繰り返し、「自分のライターとしての軸をどこに置くのか」を問われる。ひと口にライターといっても、商業ライター、エッセイスト、ブロガー、編集者、などさまざまだ。私はライター業で稼ぎたい、と考えていたので、最初は商業ライターしか頭になかった。

しかし、講座でワークなどを通じて、自分自身に向き合う時間を重ねていくうちに、商業ライター以外にも、わたしが目指したい方向があるのかもしれないと気づいた。この発見はとても新鮮で、嬉しい驚きだった。自分だけで活動していたら、このような気づきに至るのはもっと先か、あるいは一生気づいていないかもしれない。

とはいえ、「どんなライターを目指すのか」という軸は、実はまだ明確には定まっていない。見えてきた可能性のひとつひとつと向き合いながら、模索を続けていくこと自体が、わたしにとっての大切なプロセスなのだと感じている。

そんな迷いの中でも、ものかき隊という存在は心強い。多方面で“書くこと”にかかわる先輩方がいて、交流の場もある。自分の視野が広がっていくのを実感している。ここでライターとして成長していきたい、と考えている。

スタートラインに、ちゃんと立てた

初めて同期と顔を合わせて自己紹介をしたときには、正直焦りを感じた。みんなライターとしての経験があって、私よりもはるか先の道を歩いているように見えた。一方のわたしは、まだスタートラインにすら立てていないような気がしたのだ。

でも、講座を受けるうちに、焦らなくていいと思えるようになった。わたしの世界観や言葉は、誰かと比べるものではなく、わたしにしかないものだと感じられたからだ。それでも、同期の活動や発信を見ると、自然と背中を押される。「書かなきゃ」「追いつきたい」と思わせてくれる存在がそばにいる。そんな刺激が、とてもありがたく、楽しい。

この3ヶ月間で、「どのようなライターを目指すのか」について、とことん向き合ってきた。まだその答えは見つかっていない。
だけど、「自分はどうなりたいのか」「どんな世界観を持っていて、どんな影響を与えたいと思っているのか」は、少しずつ見えてきたように思う。
それを知っているだけで、書くことへの向き合い方が、そしてライターとしての歩み方が、確かに変わってくるはずだ。

ものかき隊の講座を経て、地に足がついていなかったわたしが、「本当のライターになりたい」と自覚を持つことができた。
今、わたしはようやく、ライターとしてのスタートラインに立ったのだ。

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