まったくの初心者からライター活動を始め、大阪ものかき隊の基礎講座を受講した。
受講の3か月で、私の一番の変化は文章力ではなく、完璧になるまで文章を出せなかった自分が「まず出してみよう」と思えるようになったことだ。
だからこの記事では、講座で学んだことと、実際にnoteで発信を始めたことで起きたマインドの変化を振り返っておきたい。
何者かになりたい気持ちと、ものかき隊との出会い
私はものかき隊に入るまで、ずっと「何者かになりたい」と思っていた。
以前参加していたビジネスコミュニティには、さまざまな肩書きを持つ人がいた。ライター、デザイナー、講師、経営者。リアルイベントに参加するたびに感じていたのは、「私は何をやっている人なんだろう」という焦り。
私は金融、不動産、年金などに関係する仕事をしている。どれも、自分の知識や経験を活かしながらキャリアアップを積んできた仕事。しかも、それをフルリモートでやっている、と言うと、ときには羨ましがられたりもする。
それなのに、なぜか「自分は何者でもない」と感じて、「ライターです」「フリーランスです」と、交流会でそんなふうに自己紹介できる人たちを、まぶしく見ていた。
そんな時、あるイベントの主催者がものかき隊のメンバーだと知った。ライティングにも興味があったし、自分の新しい可能性が見つかるかもしれない。一度やってみよう。
だから、入隊前に隊長と面談した時はワクワクしていたし、ポジティブな気持ちで入隊したのだけど・・・
同期との顔合わせで少し気後れしてしまった。
「ライターをしています」
「独立し、フルリモートのフリーランスです」
そんな自己紹介が次々と続いたからだ。
どれも、自分がいつか言ってみたいと思っていた言葉だったし、「やばいところに来てしまった」とも思った。同期は商業ライターとして活動している人ばかりで、ずぶの素人は私だけなのではないかと勝手に場違い感を抱いてしまったのだ。
そんな私にとって印象に残っているのが、隊長のこの言葉。
「まっさらな方が吸収するのに余計な雑念がない」
当時は何気なく聞いていた言葉だったが、今振り返るとずいぶん救われていたように思う。
文章を書くことより「出すこと」が怖かった
私はライターを目指すなら、最初から読まれる文章を書かなければいけないと思い込んでいた。プロフィールもきちんと作り込まなければいけない。どんな記事を書くのかも決めなければいけない。だから、準備が整ってから始めるべきだと思っていた。
今考えると、それは誰かに言われたわけではない、自分で自分に課した足かせだった。
不思議なことに、私は普段から習慣化や仕組み化の大切さを口にしている。朝の散歩も筋トレもジャーナリングもそうだ。最初から完璧にできなくてもいいし、一日できなくてもまた戻ればいい。「続けることが大事」だと常々言っている。
それなのに、自分自身が「文章を書く」となると、急におじけづいていた。
完璧なプロフィールが必要だし、方向性を決めてから始めるべきだろう・・・。文章だって、もっと上手くなってから出そうとして、そんな自分が少し嫌になっていた。
3か月間の基礎講座では、Webライティング、マーケティング、コラムの書き方などを学ぶ。その中で印象に残ったのは、事実だけではなく「心象」を書くという考え方。何が起きたかだけではなく、その時に何を感じたかを書く。それまでの私は正解ばかり探していたが、自分の感情を書いていいのだと知り、少し気が楽になった。
出して初めて景色が変わった
隊長との面談の中で印象に残った言葉がある。
「最初から読んでもらえると思うな」
言われてみれば当たり前だった。誰にも読まれないなら、自分の書きたいことを書けばいい。読まれることばかり気にしていたけど、まずは出してみなければ何も始まらない。そう思えるようになった私は、ついにnoteを書き始めた。
最初の記事を公開する時は緊張した。作り込んだプロフィールと、記事の方向性が合っているのかも分からない。本当にこれでいいのか・・・何度も見直して、見直して・・・それでも最後は公開ボタンを押した。
押してみると、意外なほどあっけなく、世界は何も変わらなかった。
けれど、自分の中では大きな一歩。
その記事は、マガジンに掲載されたし、さらに、チップを100円いただいてしまったのだ!
金額だけ見れば決して大きくはない。むしろ最初は「なんで私にチップが?」という気持ちの方が強かった。100円を払ってまで読んでくれる人がいるなんて想像していなかったから。
けれど時間が経つにつれ、少しずつ実感が湧いてきた。これは私にとって初めての「0→1」なのではないか、と。記事を出していなければ、見られなかった景色なのだろう、と。
上手い人は、悩まない人ではなかった
もう一つ意外だったことがある。それは、私がすごいと思っていた人たちも、悩みながら書いていたこと。商業ライターは、自信満々に文章を書いている人たちだと思っていたけど、実際は違った。みんな悩むし、迷う。それでも文章を出している。
上手い人とは、悩まない人ではなく、悩みながらも出せる人なのだと知った。
振り返ると、私はずっと「何者かになってから始めよう」としていた。
肩書きができてから発信しよう。
実績ができてから書こう。
もっと上手くなってから出そう。
でも順番は逆だった。
出すから実績になる。
出すから肩書きになる。
出すから、少しずつ何者かになっていく。
手に入れたのは、文章力より一歩踏み出す勇気
ものかき隊で得たものは、文章力だけではない。完璧になってから出すのではなく、出しながら学ぶという考え方。
3か月前の私は、準備が整う日を待っていた。でも今は違う。出すから学べる。出すから改善できる。出すから、景色が変わる。ものかき隊の3か月で私が手に入れたのは、文章力より先に、一歩目を踏み出す勇気だった。
私はこれからも文章を書いていくと思う。そして、ただ書くだけではなく、誰かに届ける方法も考えられる人になりたいと考えている。
次に足が止まってしまったときも、この経験を思い出して、新しい景色を見に行きたい。


