商業ライターとして仕事は続けているものの、「このままでいいのだろうか」という不安を抱えていた。
そんな時に出会ったのが、大阪を拠点にライター同士が学び合うコミュニティ「大阪ものかき隊」だ。基礎講座や交流会、日々のアウトプットを通じて、自分の強みや課題に向き合う場所である。ここで私は、ライターとしての現在地を見つめ直す機会を得た。
この3か月で感じたことや学んだことを振り返る。同じようにフリーランスライターとして不安を抱えている方の参考になればうれしい。
大阪ものかき隊に入った理由
私は商業ライターを始めて1年になる。
最初に入ったライター養成学校から仕事を紹介してもらい、金融や旅行ジャンルの記事を定期的に書いている。ありがたいことに仕事は途切れていない。
始めたばかりの頃、ディレクターから「本当に初心者?」と聞かれることが何度かあった。自分ではよく分からないが、記事として一定のクオリティは保った文章が書けているらしい。
一方、クラウドソーシング経由では仕事は取れなかった。テストライティングに進むことが難しく、進んでも採用にはならなかった。
1年たっても、自分の実力が上がっている実感はない。執筆本数は増えたものの、私はライターとしての単価を上げることができていなかった。
どのようなロードマップを描けば、一人前のライターになれるのだろうか。そもそも、一人前のライターとは何だろう。どうすれば単価が上がるのか。インタビューライティングやブックライティングができれば、ライターとして生計が立てられるのか。
その頃、Xで大阪ものかき隊が20期を募集していることを知った。
実は、大阪ものかき隊の存在は人づてに聞いていた。フリーランスライターを始めると決めた頃、アドバイスをくれた方から進められた場所の一つだった。その時は募集を締め切った直後で入れなかったのだが、次の募集がたまたま目に入ったのだ。
入隊前の面談で、これまでのキャリアや悩みを聞いてもらった。私よりはるか先を見据えた視点から、キャリアのヒントや可能性などを示してくれた。
私が今求めているのは、こういう場所かもしれない。交流会にも参加させてもらったうえで、大阪ものかき隊への入隊を決めた。
大阪ものかき隊での学びと気づき
入隊して3回の基礎講座に参加した。
基礎講座の内容は、文章の書き方や企画の考え方といった技術的な部分から、ライターとしてのマインドセットやマーケティングまで多岐に渡る。毎回、4時間の講義が一瞬で過ぎてしまう。参加者同士で「いつも時間が足りないね」と言い合うほど濃い時間だった。
その中で私は、自分のキャリアとスキルの現在地を客観的に見ることができた。
自分のライターとしての現在地を知る
1回目の講座で、自分のクリエイターの種類を4つの軸に当てはめて考える時間があった。最初に見た時、自分はどれに当てはまるかが分からなかった。
自分は商業ライターになりたいが、実はブロガー向きかもしれない。本当にそうだろうか。初回からつまずいてしまい、講座後に1on1を依頼した。直接迷った部分直接聞き、意見をもらった。
私は与えられたテーマについて調べ、読者やメディアの目的に合わせて情報を整理し、記事にすることが苦ではない。自分の興味や考えとは少し離れたテーマも「読者にどう伝えるか」という視点で書ける。
しかし、1on1ではそれが当たり前にできない人がいると教えてもらった。自分がつまずいた原因は、この視点がなかったことだ。商業ライターとして、自分が向いている部分が見えてきた。
私には、自分のライターとしての現在地を把握できるほどの経験がない。だからこそ、周りの人にも見てもらう必要がある。そこから自分の立ち位置を知り、今取り組むべきことを見ていく。
運営の方と自発的に話す機会が用意されているところは、大阪ものかき隊の魅力の一つだ。
アウトプットでみえた言語化の現在地
毎回、基礎講座が終わるとすぐにSlackのチャンネルに学びをアウトプットする。学生でいうと、1時間目の終了後、休み時間中にレポートを共有するような速さだ。
同期は、次々と流れるように文章を投稿していく。さすがライター。私はそれを横目に必死に入力するも、どれも短文、しかも箇条書きだ。焦る。めちゃくちゃ焦る。
しかし、この焦りは、一人で仕事をしていても得られないものだった。
私には、気づきを言葉として取り出す力が足りない。自分の考えを言葉にする瞬発力は、これから伸ばしたい課題の一つだ。
オンラインジムで速さの現在地を知る
大阪ものかき隊には、「オンラインジム」というシステムがある。毎月、何文字書いたかをSlackに発表する。10日間ずつ書いた文字数を発表して、月末にトータルで表示する。
私は自分を数字で管理するのが苦手だ。だからこそオンラインジムの存在はありがたい。書いた文字数を可視化する強制力。自分が思う以上に文字数が書けていないことが分かると、もっと書こうという気持ちになる。
交流会から見えた、これからの課題
以前、月1回の交流会で、クラウドソーシングのプロフィールを少しだけ見せてもらう機会があった。そのプロフィールの作り方が自分と全く違っていた。
その方のプロフィールは、自分がどのようなライターか、どんな価値を提供できるかを端的に伝えていた。「この人に仕事をお願いしたい」と思える内容だった。
一方、私のプロフィールは、履歴書や職務経歴書に近い。過去の経験が中心で、自分が「どのようなライターか」は伝わりにくかった。
クラウドソーシングで仕事が取れない理由は実績不足だと思っていた。しかし違った。
私が自分の価値を伝える方法はまだ改善の余地がある。
「まだ、戦う方法があるかもしれない」という希望が見えてきた。
大阪ものかき隊に入って基礎講座を受けた。今の時点では不安はなくなっていない。
それでも入隊前とは違い、自分の方向性が見えてきた。先輩方の力を借りながら、商業ライターとしてアウトプットを続け、言語化力を磨きたい。その都度、自分の現在地を確かめ、前に進みたい。
私と同じように、何をすればいいか分からず不安を感じているフリーランライターがいたら、自分より先を歩く人と話せる場所に踏み出してほしい。自分だけでは見えなかったことがきっと見えてくる。


