好奇心で、歩みが止まってしまった
私は好奇心旺盛だ。
好奇心で生きてきたといってもいいだろう。
新しいことを学ぶこと、知らない場所へ行って、人と話すことが好きだ。
いや、大好きだ。
その反面、人の影響を受けやすい。自分と他人の境界があいまいになり、何が自分の意見なのか、自分は何をしたいのか、何を叶えたいのかがわからなくなってしまった。
それでも自分探しと言い訳して、「やってみたい!」と次々と新しいことを始めては、キャパオーバーになって足が止まる。そんなことを繰り返してきた。
ライティングを始めたのも、いろいろなことを試していた最中だった。
最初に取り組んだのはSEOライティング。
なんとか記事を書き上げ、検索順位1位を取れたときは飛び上がるほど嬉しかった。しかし、なかなか手が進まない。細かなレギュレーションに気を配り、時間をかけて書いても単価は高くない。さらに、張り切って案件を取りすぎたこともあり、いつものようにキャパオーバーを迎えてしまう。
「やっぱりライティングは向いていないのかな」
ここでまた、歩みが止まってしまった。
迷走する中で見つけたライフワーク
楽しくないことに時間を使うくらいなら、いつものように新しいことに挑戦してみよう。
そうして始めたことの1つが、取材ライティング。そこで私は、新しい自分に出会う。
「文章を書くこと以上に、人の話を聞くことが楽しい……!」
インタビュイーの想いを聞き、そのひとのルーツや人生を紐解いていく。
それこそ、新しい世界が広がっていく感覚で、想像以上に面白かった。
本業の関係で収入にはできなかった。それでも、取材にはお金を払ってでもやる価値がある。その想いで、持ち前の行動力を活かし、車で5時間かけて現地を訪ねたことも。
誰かが言っていた「お金を払ってでもやりたい仕事をしなさい」という言葉。
以前の私なら、「そんな仕事、本当にある?」と思っていた。
今なら、力強くうなずける。
取材ライティングという、ライスワークならぬライフワークのために、もっと深く学びたい。
もっと良い文章を書けるようになりたい。
そんな思いを抱いていたとき、人生で何度目かの転機となる「ものかき隊」と出会う。
ものかき隊講座が教えてくれた、本当にやりたいこと
ものかき隊の日々も、実に刺激的。
なによりライターの先輩方の話を聞くことが面白い。(つい聞いてばかりになってしまうのが課題)
私は、「考えすぎなくらい考えている人」そしてそれを「誰もがすとんと納得できる言葉で言語化できる人」が好きで、共感を覚える。ライターを志す人はそういう人が多い。だから私にとって、ライターのコミュニティは居心地がいい。
ものかき隊も例に漏れず、ほっとできて、ちょっと刺激的な、チャイティーのようなコミュニティだった。
そんなものかき隊講座で、「自分のクリエイターとしてのタイプを知る」ための時間があった。私の結果は「「0→1」が得意なライター」。
結果に納得はした。だけど、腑に落ちない。私がライフワークだと感じた取材ライティングは、「0→1」のライティングではないからだ。
このときは、「「向いていること」を仕事にしたほうが幸福度は高い」という価値観だったので、「自分はエッセイストを目指すべきなのか?」とかなり悩んだ。
悩みに答えがでたのは、その後のものかき隊講座。
ものかき隊・隊長のもみじさんが私にかけた、
「人の想いを伝える記事を書きたいんでしょ?それがやりたいんでしょ?」
という言葉。
その言葉で、はっ!と目が覚めた。
そうだ、私のやりたいことはそれだ!
人に伝わるぐらいの強いこだわりなのだから、向いていようがなかろうがやるしかない。
そう腹を決めることができた。
そして、そこから少しずつ、自分の中で一本の線がつながり始めた。
農業者支援の仕事。
取材ライティング。
方法は違う。けれど根っこにあるのは、人の想いに耳を傾け、その人らしい未来を後押ししたいという気持ちだった。
もっというと、私のやりたいことは「人の想いを伝えて、その想いに共感する人の輪を広げる。そして、出会いと可能性を広げる」こと。ライティングは、あくまでそのための手段だ。
自分でも気づいていない、自分の大切なことを知ったこと。
自分を見失っていた私が、道筋を得たこと。
ものかき隊で手に入れた、一番の財産だ。
挑戦は、私の人生を豊かにする肥やしだ
先日キャリアチェンジを考え、人生を「これでもか!」というくらい深掘りした。殴り書きの人生史メモをChatGPTに投げてみる。こんな言葉が返ってきた。
「あなたは、今まで出会った人にかなり助けられてきた。だからあなたも、目の前の人を助けようとする。」
思わず目が潤んだ。
たしかに、私はいつも出会いに助けられてきた。
そしてその出会いの多くは、自分から一歩踏み出した先にあった。
ライティングに出会ったこと。
取材の面白さを知ったこと。
ものかき隊で本当にやりたいことに気づけたこと。一歩踏み出した先で出会えた経験は、どれもいまの自分につながる肥やしだ。
「自分探し」のために、好奇心で新しいことに飛び込んでは立ち止まる自分を「無駄だ」と責めてきた。
けれど、それは無駄じゃなかった。
私はずっと、好奇心を武器に、自分の可能性を広げていたのだ。
挑戦で、自分という畑を耕す。
そして、その畑で育ったものを、誰かのために届けられる人になりたい。
そのために私は、これからも学び、新しい世界へ飛び込んでいく。


