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ライターコミュニティを5年間運営して感じたこと

ライターコミュニティ「大阪ものかき隊」は、このほど発足から満5周年を迎えた。入隊後、約3カ月間にわたって受講する基礎講座も15期を数え、隊員も大阪のみならず全国で活躍している。これら隊をけん引してきたのは隊長・本田もみじであり、僭越ではあるが、マネージャーであり共同創設者の私個人としての所感を綴らせていただきたい。

目次

◆ライターの受注環境は大幅に改善

大阪ものかき隊が発足した2018年を振り返ると、ライター業界は急速に伸長したクラウドソーシングビジネスに戦々恐々としていた。出版社や印刷所、編集プロダクションなどから受注しメシを喰っていたライター達は反対あるいは業界の変化に対する警鐘を鳴らす声が多かったと思う。隊長を含む執行部では「そんなことを言ってもビジネスなんだし、まあ当事者の話を聞いてみよう」とランサーズに声をかけ、大阪へ担当者を招聘。なんとこの発足日は早朝に大地震が起こったのだが、ランサーズ担当者はひるまず駆けつけてくれた。感謝である。

あれから5年が経ち、相変わらず文字単価の安さを批判する声もある。だが、隊員を見ていると上手に活用しているし、隊長が言った「ビジネスなんだし」というように、すっかり受発注ツールとして定着している。とくに初心者にとっては、「プロフィールを充実させる」「自分の力を信じて、実績をコツコツ積み上げる」という努力さえすれば、コネがなくても、ベテラン勢と同じ土俵で戦えるわけで、個人的には自然の流れだったのかなとも考えている。

◆コロナ禍を経て高まったコミュニティの価値

大阪ものかき隊の発足当時は想像できなかったが、コロナ禍の影響は大きいものがあった。リアル感を求めて定期的に集ってきたコミュニティだけに、解散もやむなしとの考えも浮かんだ。NEWS picksの番組をかじりついて視聴しながら、最善策を必死に模索した。そしてオンラインへと舵を切ったのである。

その後も様々に暗中模索しながら、大阪ものかき隊は活動を継続させた。「これで良かった」と思えたのは、離島に住む某隊員が仲間に頼られる存在として頑張っている姿があったからで、自分ごとのように喜ぶ隊長を見ながら目頭を熱くしたことを覚えている。確かにオンライン技術はリアルに追いついていないが、誰か一人でも幸せならそれでいいじゃないか、と思う。そして、そういった幸せを形づくるコミュニティは、価値あるものなのだ。

◆次なる佳節を迎えられるか。Aiがターニングポイントに

コロナ禍を経て、先日は久々に一部メンバーで集い合った。パソコンを介さなくとも、笑いが聞こえた。飲み過ぎて酔ったし、急ぎすぎておなかも痛かった。充実感に満ちた夜だった。

しかしながら、ライター業界は5年前を思い出すような不安感に襲われている。そう、チャットGPTに代表されるAi技術の発達と普及だ。知っている人は知っていたし、時間の問題だったのだが、意外とある時期を境に知られる存在となった。そして、また「このままでは食べていけない」という不安と、Aiが生成する文章に警鐘を鳴らす声が散見されるところだ。

私個人としては技術発展には肯定的な意見を持っているので、むしろ積極的に学んでいるところである。そこまで普及もしなさそうだが、まあ隊の次なる佳節である2028年(10周年)までのターニングポイントになることは間違いないだろう。
危機と捉えるか、チャンスと捉えるか――残念ながら私に先見の明はないが、何にも負けない「大阪ものかき隊」たる集合知がある。隊員一人ひとりの行動と姿勢から学び、新たなる可能性との出会いにワクワクが止まらない。

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