【2018風疹が大流行】医療ライターがワクチン未接種世代の男性に知ってほしいこと

【2018風疹が大流行】医療ライターがワクチン未接種世代の男性に知ってほしいこと

今日は、医療の現場を知るライターとして、命にかかわる大切なことを書きたいと思う。

首都圏を中心に風疹が流行っている、とニュース番組で知った。

風疹は感染力が非常に高い。そして、風疹による最も大きな影響は、先天性風疹症候群である。

風疹の抗体が不十分な女性が、妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると、胎児に影響を与えてしまう。心臓や眼、耳に障害を持つ子が生まれる可能性が高くなる。

しかし、風疹はワクチンで予防できる病気である。
それを知ってほしい。

2018年10月 現状の流行度合い

国立感染症研究所が2018年10月16日に発表した情報によると、10月10日現在、2018年度の風疹患者累積報告数は1,103人である。

直近の大流行では、2012年に2,386人、2013年に14,344人が風疹に罹患したと報告されている。そして、この大流行に関連する先天性風疹症候群が45人確認されたという。

2018年10月10日現在、先天性風疹症候群の報告は未だない。

しかし、2018年は、2013年と2012年に次いで報告数が多い。第37週(9/10~16)に155人となり、以降、毎週100人を超えている。第40週(10/1~10/7)には135人の報告があった。大流行の兆しである。

なぜ大流行するのか。
それは、ワクチンを接種していない世代がいるからだ。

背景にあるワクチン未接種世代の影

風疹ワクチンは、1回だけではなく2回接種することにより十分な免疫が得られる。

かつての日本では、小児のうちに風疹に感染して免疫を自然に得ることが当たり前であった。

定期接種の対象者は中学生女子のみという時代があった。
当時の中学生女子とは、現在の39~56歳の女性である。

男性は全て対象外であり、現在の40歳以上は1回もワクチン接種をしていない。そして現在の56歳より高齢の女性もまた、対象外である。

28~39歳という少し若い世代では、男女いずれもが、幼児期もしくは中学生の時に1回接種とされている。28歳未満になってようやく、小学校入学までに2回接種となっている。

風疹が毎年のように流行していれば、免疫を得ることもできた。しかし、風疹ワクチンの接種率が高まり、自然に感染する人が少なくなっている。

出典:国立感染症研究所の啓発ポスター「成人男性も風しんの予防接種を受けましょう」

 

今回届け出のあった風疹患者の中心は、ワクチン接種がなく、風疹ウイルスに感染したことがない集団である。

おおまかにいうと30代~50代の男性である。

それでは、今後、誰がどのようにすれば良いのだろう。

まずは地道な予防策&ワクチン接種から

先述したように、風疹による最も大きな影響は、先天性風疹症候群である。そして、その発生を防ぐためには、妊娠初期女性への感染を防止することが重要である。

女性が妊娠前に十分な免疫を獲得しておけば良い、という意見があるだろう。もちろんである。妊娠を希望する女性には早めの抗体検査を勧める。抗体価が低いようであれば、ワクチン接種を検討するべきである。そして、ワクチン接種後2ヶ月ほどは、避妊を優先しよう。

しかし、風疹に対する免疫が不十分だと知らないまま、妊娠をすることもある。
妊娠してしまうとワクチンは接種できない。胎児に影響を与えてしまうからだ。

また、自分が妊娠しているかどうかも知りえない時期に、風疹ウイルスに不顕性感染している人と接触すればどうなるだろう。そう、先天性風疹症候群の子供が生まれてくる可能性が高まるのだ。

風疹はワクチンで予防できる病気である。

30代~50代の男性は、是非ともワクチンを接種していただきたい。

自分には関係ないと思うかも知れない。忙しいから、わざわざ検査を受けるのは邪魔くさいかも知れない。それでも、ワクチンを接種するだけで予防できるのだ。

居住地域の保健所の担当者に電話相談を。大阪と兵庫では補助金が出ることも

妊娠を希望する女性とその家族を対象にして、多くの自治体の保健所が無料で風疹抗体検査をおこなっている。相談にも乗ってくれる。気になるようであれば、居住地域の保健所に電話をかけてみてほしい。

実際のワクチン接種は、医療機関でおこなわれている。一般成人であれば実費がかかる。

しかし、例えば大阪市の場合、今なら助成金が利用できる。麻しん風疹混合ワクチンであれば、10,011円または実際負担の安い方の金額が返還される仕組みだ。

兵庫県下の市町村でも補助金が返還される。例えば、神戸市の助成金額は2,500円である。そうした情報は、自分が住んでいる市町村名に風疹を付け加えて調べれば、簡単に手に入る。

それでも迷っている人への後押し

迷っているかもしれない人に、後押しとなるかも知れないので、厚生労働省からQ&Aを抜粋する。

過去に風疹にかかったことがありますが予防接種を受けるべきですか?

確実にかかっていれば、予防接種は不要である。しかし、風疹に感染したかどうか明らかでない場合、先ずは、かかりつけ医に相談することが勧められている。風疹に感染した人がワクチンを接種しても、副反応が増強することはない。

ワクチンを接種した方が良いのは、どのような人ですか?

定期接種の対象者は、1歳と小学校入学前の幼児である。この時期以外の人で、風疹にかかったことがなく、ワクチンを1回も接種したことがない場合は、かかりつけ医に相談しよう。

妊娠を望む女性とその家族のうち、ワクチンを接種していない人、1回の人、かつ明らかな風疹感染のなかった人は、保健所で抗体検査を受けよう。抗体価が低ければワクチン接種を検討しよう。

単独の風疹ワクチンの代わりに麻しん風疹混合ワクチンを接種しても健康に影響はありませんか?

風疹単独ワクチンと麻しん風疹混合ワクチがあるが、どちらも同様の効果が期待できる。後者の混合ワクチンの方が、麻しん予防になる利点がある。

 

風疹について知る機会が増えれば増えるほど、先天性風疹症候群の発生がなくなると信じている。

何度も繰り返すが、風疹はワクチンで予防できる病気である。

 

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大杉おれんじ

大杉おれんじ

お得な情報と面白いことが大好きな、大阪生まれ大阪育ちの関西人ライター。半世紀以上生きているが、自分ではまだまだ若いつもり。大きな知恵袋を持っている。