実は損?自動車ディーラーが教えてくれない、残価設定ローンの不都合な真実

実は損?自動車ディーラーが教えてくれない、残価設定ローンの不都合な真実

こんにちは、ライターのコータローです。
前回に引き続き、今回も元ディーラーとしての知識と経験を活かして車の話を書きたいと思います。

前回記事 新しい相棒決定!「実用性」か「遊び」か、元ディーラーの僕が選んだクルマとは

みなさんは、車を購入するときは現金派ですか?
ローン派ですか?

ここ数年、車をローンで買う際に主流になりつつあるのが、残価設定型のローンです。

「通常のローンに比べて金利が格段に低いんです!」
「月々の支払額を低く抑えることができるので、ワンランク上の車に乗れますよ!」

などとディーラーは、残価設定ローンの良いころだけをかいつまんで勧めてきます。

(僕もディーラーをしていた頃は、実際にそう言って勧めてました・・・)

しかし、残価設定ローンにはデメリットもたくさんあるんです。

残価設定ローンのデメリット

販売する側としては当然のことながら、臭いものには蓋をしようとします。
悪いところはなかなかちゃんと説明はしてくれません。

今回はそんなディーラーがあまり話したがらない「残価設定の落とし穴」について書いていきます。

残価設定ローンで車の購入を検討されている方は、絶対に抑えておいた方が良いポイントばかりです。

残価設定ローンは皆さんにとって得なのか? 損なのか?
元ディーラーならでは?の裏技的な情報もお伝えしたいと思いますので、車購入時の参考にしていただければ幸いです。

残価設定ローンとは?

まず、残価設定ローンとは何ぞや?
というのをざっくり説明いたします。

販売店によっては、残クレ(残価設定クレジット)と呼ばれてたり、名前が微妙に異なりますが、内容は概ね同じです。

残価設定ローンでは、車購入時に3年後や5年後の査定額を想定し、販売価格からその査定額を引いた金額をローンで支払います。

そして、残価設定ローンの期間が終了する、3年後、5年後に残りの金額を以下の3通りから選択します。

(その車を乗り続けたい場合)

パターン1. 車を買い取る(残価分を現金で支払うか、再度ローンを組みなおす)

(他の車に乗り換えたい場合)

パターン2. 同じ販売店で新しい車に乗り換える

パターン3. 車を販売店に返却する(査定額は保証されているので、残債を払う必要はない)


例:

新車販売価格が300万円、3年の残価設定ローン(3年後の残価率は50%とする)で車を購入した場合

3年後の残価率が50%なので、3年後に150万円の下取り価格が保証されます。

3年かけて残り半分の150万円をローンで支払います。

そして、3年後に残りの150万円をどうするかを前述した3パターンの中から選ぶわけです。


これが残価設定ローンです。

要注意ポイントは金利

因みに、もちろんローンなので上記に金利が上乗せされます。そして金利は残価を差し引いた150万にかかるのではなく、残価も含めた総額(300万)に対してかかります。

ここが非常に重要なポイントです。

最初の3年は150万に対する金利→再ローン後は残価の150万に対する金利

ではなく

最初の3年は300万に対する金利→再ローン後は残価の150万に対する金利

となります。

この点は、ディーラーが説明を避けるので、勘違いされてることが非常に多いです。

ノルマを課されるディーラーのつらさ

確かに、ある程度頭金を入れれば、最初のローン期間は安く抑えられます。

だから一見、非常に魅力的なように感じますが、実は買う人よりも販売店にとってメリットが多いと言えます。

以下、ディーラー時代によくあった店長とのやりとりです。


僕「店長、車売れました!」

店長「おぉ、でかした!ローンか?」

僕「あ、いえ現金です」

店長「は?」

僕「す、すいません、現金です・・」

店長「お前、何眠たいこと言うとんねん」

店長「残価で売らんかい!ちゃんと提案したんか!?」


毎朝会議で車を売れ売れとプレッシャーをかけられる。

しかし、必死で売ったら売ったで、何故現金なんだ?と問い詰められる。

「せっかく苦労して売ったのに、何故怒られなきゃならないんだ・・・」と理不尽に感じたことをよく覚えています。

現金で一括購入希望のお客様でも「見積もりには残価設定の明細も入れておけ、そして必ず提案しろ!」と教えられていました。

残価設定ローン、販売店側のメリットとは

販売店がここまで、強く勧めてくるのには理由があります。

まずローンを組んでもらえば、金利の分だけ販売店の収益が大きくなります。それにローンの期間が終了したら、また自分の店で車を買い替えてくれる可能性も高くなるので、お客さんを掴んでおくことが出来ます。

メリットが多いがゆえに、毎月厳しいノルマ(残価設定ローンでの契約件数)が課せられます。

だから、営業マンは、必死で残価設定ローンを勧めるのです。

ノルマ未達で終わるのが怖いので・・・。

残価設定ローンの落とし穴① 再ローンを組む際の金利に注意!

ここからは、「残価設定ローンの落とし穴」について詳しく見ていきたいと思います。

残価設定ローンは確かに通常のローンより金利は低いです。

ディーラーでの通常のフルローンの金利は6%前後~7%前後。それに対し、残価設定ローンはおよそ2%~3%前後とかなり低く設定されています。

しかし、気を付けたいのは残価設定ローンの期間が終わった後に再ローンを組む際の金利です。

例えば3年の残価設定ローンで車を購入した場合、初めの3年間は残価設定での低金利です。

でもまだその車を乗り続けたくて、再ローンを組むとなったときに通常のフルローンと同じ金利になってしまう場合があります。

これは必ず確認しておいた方が良いでしょう。

残価設定ローンの落とし穴② 再ローンを組む際のローン期間に注意!

これも残価設定でのローン期間が終了して、再度ローンを組むときの話です。

例えば3年の残価設定で車を購入し、3年後に5年間のローンを組もうと思っても無理な場合があります。

3年で残価設定ローン → 次のローン期間は4年まで

5年で残価設定ローン → 次のローン期間は2年まで

というように「トータルで7年まで」と決まっているところが多いので、これも必ず確認しておきましょう。

要するに、すぐに乗り換えることが決まっている人以外は、残価設定ローンの期間が終わってからのことをよく確認しておきましょう、ということです。

最初の3年は楽です、そういう風にできていますから。

しかし、最初の3年より、4年目以降の方が支払額が増えてしんどくなるというのはよくあるパターンです。

営業マンは楽なところしか言いません。

逆に言うと、その最初のローン期間が終わってからのことをちゃんと心配して説明してくれる営業マンは信頼できます。

そもそも初めから、残価を再度ローンを組んでで支払う可能性が高いのなら、金利の負担が大きくなるので残価設定はおすすめしません。

銀行などでオートローン、マイカーローンを組んだ方がいいです。

残価設定ローンの落とし穴③ 走行距離や事故、キズなどの状態に注意!

車を返却して残価をチャラにする場合の注意点です。

車を返却するときに、走行距離が多い場合や事故を起こしたり、大きなキズやへこみで損傷が激しい場合は、追加の支払いが発生してしまいます。

3年だと36,000km、5年だと60,000kmなどと走行距離に制限があるんです。

僕も車には結構乗る方で、1年で20,000kmほど走りましたが、このペースだと完全にアウトです。

超過した分は1kmにつき5円~10円と追加で支払う必要があります。

販売店のパンフレットやホームページにも、よく見るとさりげな~く以下のように記載されています。

「設定残価は、車両状態が事前に定められた状態の場合のみ保証いたします」

確かに最初のローン契約期間は安く乗れますが、傷や距離に気を使いながら乗るのは精神衛生上あまりよろしくないですよね。

喫煙者の方は、運転中は煙草を我慢しないといけないかもしれません。

因みに走行距離に関しては、同じ店で新しい車に乗り換える場合は、多少距離が超えていてもとやかく言われることはないと思います。

残価設定ローンで得するのはこんな人

今回はデメリットに焦点を当ててお話ししましたが、もちろんメリットもあります。

◆短期間で乗り換えることが決まっている

◆走行距離が少ない

◆煙草を吸わない

◆ある一定期間(数年)だけどうしても車が必要

というような人は、残価設定ローンのメリットを活かせると思います。

それから、裏技というほどでもないですが、もしかしたら得するかも?という情報をお伝えします。

残価設定期間が過ぎて車を返却しようとする場合、
必ず買い取り業者などで査定をしてもらって下さい。

走行距離が少なく、リセールバリューの高い車(値段が下がらない車)の場合、残価で設定されている金額より高く売れる場合が結構あります。

残価が150万、査定額が165万だった場合、返却せずに150万で買い取って、165万で売却すれば差額の15万をフトコロにインできます。

これで15万円得します。

まとめ

ということで、残価設定ローンについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

僕もディーラー時代に残価設定で車を購入したことがあります。

(というか店舗のノルマのために現金では買わせてもらえなかっただけですが・・・)

しかし退職と同時に貯金をかき集めて現金一括払いで買い取りました。個人的には、ローンは金利が勿体ないので、現金で払えるなら多少無理してでも現金で払うべき、という考え方です。

しかし、先日たまたまラジオを聴いていると、あのホリエモンがこう言ってました。

「車を現金で買うやつはバカ!」

え?と思いましたが、ホリエモンいわく、車はなるべく金利の低いところでローンを組み、新車を買えるくらいの現金があるなら投資の資金にする。

投資にまわして、ローンの金利以上の利益を得ればいい、というわけです。

「なるほど~、そういう考え方もあるのか」

「やっぱり頭の良い人は考え方が違うな・・」

と感心させられました。

車は安い買い物ではないので、それぞれの状況に合った買い方で、損しないように賢く買いたいですよね。

残価設定ローンをお考えの方は、数年後に後悔しないように、ここで書いたことは必ず確認してください。

(おわり)

 

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コータロー

コータロー

静かな情熱を秘める、IT系ライター。読書好きなインドア派のように見えて、実は趣味はアクティブ。フルマラソンを15回完走している。