WEBライターの本田もみじです。
WEB上で発信することへの参入障壁が下がり、またマーケットニーズも拡大しつつある昨今。
「プロライター」とは何ぞや?
について考えを巡らせる日々が続いています。
そこで、WEB上に言葉をアップしていくライターとして、またWEBライター養成講座を開講し、多くのビギナーさんと関わる立場として、プロの商業ライターについて一度きっちり書いておきたいと思います。
副業と自己実現は分けて考えろ
「副業と自己実現は、分けて考えてください」
これは、4回セットのWEBライター養成講座で、私が「毎回」伝えること。
受講生さんは「またか…」と思われているかも知れませんが、1回の講座で使用するスライド約20枚のうち、1枚をまるっと使っているということは、いかに大切なことなのかを感じ取っていただきたいと思っています。
副業をする以上、キャッシュにならないと意味がない
同じことを毎回毎回伝える理由は、私のWEBライター養成講座は「副業」をしたいと考えている方々がターゲットだから。
「副業を成功させましょう」とうたう以上、記事を書くことが多少なりともキャッシュにならないと意味がありませんし、本人の成果としてはもちろんのこと、「ひとりでも多くの方に、WEB上で副業をするテクニックを伝えたい、その結果、WEBをステキな言葉で満たしたい」という私の目論見から外れてしまいます。
しかし、
ライター=自分の好きなことを書く人
というイメージを持ったままでは、ライティングでの副業はなかなかうまくいきません。
素人の文章は、お金にならない
ライターを志す人は、多かれ少なかれこう考えています。
「ライターになったら、自分の好きなことを書いて、お金を得られる」
いや、「好きなことを書く」のはいいのです。言葉をつむぐというアクションは、人間の持つ素晴らしい自己表現の方法であり、文化的な行動でもあり、また大きな快楽を伴う行為でもあるからです。
しかし、それでは「副業」にはなり得ません。
残念ながら、未経験者によって書かれた気ままな文章がお金を生み出すまでには、相応の努力と運が必要なのです。
だからこそ、たった2カ月・4回の講座に通ってくださる、「なるはやで副業のテクニックを身に付けたい」と思う受講生さんたちには、「この2か月間は、自分の好きなことを書くという想いを封印してください」と、何度も何度もお伝えするのです。
求められているのは、誰かの想いを「言語化」できる人
さて、「自分の好きなこと」ではなく、クライアントの求めに応じて文章を書くプロライターを、「商業ライター」といいます。厳密な定義付けはありません。セールスライターという呼び方をされることもあります。
この、依頼されて書くというスタイルに、自分の意見や想いは必要なし。
あくまで、報酬を支払ってくれるクライアントのニーズに合った記事を納品し、クライアントに「成果」をもたらす、ビジネスパートナーとしての働きが求められます。
仕事はある! 本当に、たくさん。
現在、WEBライターを求めているクライアントは本当にたくさんいます。
クラウドソーシング上には、驚くほど多くの案件がありますし、普通に「いい仕事」をするだけで継続依頼がやってきます。
リアルの世界でも、「こんな仕事があるよ」という引き合いはひっきりなし。本当に出版業界・雑誌業界は不況なのか? と疑いたくなるほどに、ライティング案件が存在します。
それはなぜか。
「自分の、会社の、商品のことを、ちゃんと言語化して世に出したい」
「それを、優秀なプロライターにお願いしたい」
と考える人が、どんどん増えているからです。
人の想いを言語化できるスキルのマーケットニーズは高い
この潮流はこれから数年、もっと激しくなると考えています。
数年前まではホームページを持っている企業すら少数派でした。
しかしこれからは、企業はもちろん、個人事業主でさえも、自分のビジネスを言語化・可視化していかないと置いて行かれるという時代がきています。
そこに、商業ライターの需要があります。
クライアントさんたちは、「言語化をちゃんとしてくれるなら、しっかりと報酬を支払います」という姿勢でいます。
サイトにもガッツリ予算を取りますし、デザインと同じくらい、記事やコピーの重要性を認識しています。
この「今まさに世界中から求められている」スキルこそが、WEBライターのライティングスキル。
今この流れに乗らないで、いつ乗るのーーーーーーー!!!!!
自己実現は、商業ライターの先にある
先ほどから、自己実現という言葉を使っています。
自己実現は人によってそれぞれですが、ここでは「人に言われて書くのではなく、自分のために、自分の好きなことを書きたいという欲求」と捉えておいてください。
だから、
「私にとっての自己実現は、副業でお金を稼ぐことです」
「クライアントさんの意思を汲み、想いを言語化して世に出すことこそが、私にとっても自己実現となるのです」
という思いで、素直にクライアントワークに取り組めている人は、スルスルスルっ…と副業を軌道に乗せていきます。
とはいえ、やっぱりクライアントワークは大変。修正につぐ修正をくらうこともあるし、人間的に合わないことだってあります。そして苦労して納品した記事は、署名も付かず、どんどん流れていってしまう。
私だって「はあ…」と思うこともあります。
だから、こうして自分のメディアを立ち上げて、ここで気ままに書いています。
しかし、「好きなことを書く」の手前にクライアントワークがあるからこそ、私は商業ライターとしてある程度の収入を得て、さらにそのノウハウを活かし講座も持てているのです。
でもやっぱり自分のことしか書きたくない、という人は
自分の「内なる声、欲求」を言葉としてアウトプットしている、最たる存在が「プロ小説家」。
「せんせ〜、うちに書いてください」と乞われる小説家になるまでの努力と運は相当のものでしょうし、フィクションを産み出し、また血肉を絞り尽くして我の言葉を外に出すというパワーは、一般人には想像もできません。
また、プロブロガーという存在も、社会で認知されてきました。これまた、自分のことをさらけ出し、コンテンツにして、炎上も覚悟のうえで発信をされている。
(私生活をガチンコに出しているプロブロガーさんって、一昔前の「私小説家」のような存在ですよね)
「好きなことを書きたい」
もし、そのことを自己実現とするならば。
クライアントワークにしがみつかずとも、ブログや小説に覚悟を決めて取り組んでみてください。ネットのなかった時代より実現ハードルはめちゃめちゃ下がっています。
発信者=プロライターではない。これ重要。
世界で一番ブログをやっているのは日本人。
らしいです。
確かに「ママさんブロガー」から「芸能人のブログ」まで、個人発信であっても社会的な影響力を持つ人はいます。
また個人的にブログを楽しみ、多くのコンテンツを世に出している名もなき発信者の方も、たくさんいらっしゃいます。
しかし、その存在と「プロの商業ライター」を混同してしまってはいけないのではないか、と思うわけです。
今、マーケットから求められるプロライターとは、あくまで「誰かの想いや、世に出したいモノ・コト」を、言語化できる人を指します。
この線引きは確かに難しい。
しかし、あくまで私の線引きですが、
「めっちゃ稼いでいるママブロガーは、プロライターじゃないのか?」と聞かれたら、「違う」と答えます。
彼女はあくまで、ママとして自分のことを発信し、その結果のマネタイズに成功しているという存在です。
ただし、その先で「商品アピール」などの記事依頼を受け、クライアントの求める記事を納めはじめたら、彼女はママブロガーでもあり、「プロの商業ライター」でもあるといえるでしょう。
最近、この業界地図にインフルエンサー、アフェリエイターが加わりました。
そのため線引きはますます曖昧になっていくでしょう。
しかし、もし「プロライター」でありたい、それをアイデンティティにしたい、肩書としてやっていきたい、とあなたが考えるなら。
まずは「商業ライティングと、自己実現は違う」ということを念頭に置き、クライアントワークで足場を固めていくことが、プロライターとして成功するための近道ではないか、と考えるわけです。
商業ライターは、誰かの心を言葉で動かす魔法使いであれ
言葉を扱う仕事は多岐に渡ります。そのため、さまざまな肩書を持つ「プロ発信者」が増えつつあります。これはとても新しく、ステキなことだと感じています。
たとえば
商業ライターでもあり、コピーライターでもあり、本も出している人
プロブロガーであり、編集業務も請け負う人
小説を書きつつ、ゴーストライターをしている人
いますよね。
しかしどんなに肩書が増えても、言葉を扱う職業である以上、「誰かの心を動かす言葉」を書いている、ということが大前提にあるはず、いや、あって欲しい。
そしてプロライターという肩書で仕事をするときは、クライアントという名の「自分ではうまく言語化できないから、プロに頼みたい」という存在から、信頼され、求められていたい。
ずばり商業ライターとは、これに応えられる人のことを指す!
私も、プロライターと名乗る以上、常にそうあるよう努力を続けます。
まとめ
もしあなたが「商業ライターやってみたけど、ちょっと違うな」と感じているなら、プロブロガーに軸足を置いて活動をするなど、転身を検討してみてはいかがでしょうか。
大切なのは、自分の立ち位置を決めて動くこと。
軸すら決まっていなければ、進む道も定まりません。
そして最後に、商業ライターってめっちゃ面白いよ、ということもお伝えしたいです。
まだ言語化されていないモノと世界を、言葉でカチッとつなげられるなんて、私にとっては最高にシビれる仕事です。
「プロライター」も、「プロブロガー」も、門戸は広く開けられています。
まずはやってみる。そして、どちらが自分に向いているかを見定め、軸を決めて突っ走る。それができたら、プロとしての活動が進んでいくでしょう。
あなたの文章が、WEBの世界を彩る日を願って。