こんにちは、本好きライターのコータローです。
みなさん読書してますか?
動画配信やニュースアプリ、情報を発信するツールや、サービスは年を追うごとに増え続けています。しかし、ただの情報収集ではなく、知識をちゃんと身につけるには、読書がいちばん効率が良い!と僕は思っています。
「語彙力や文章力のアップ」さらには「ストレス解消にも非常に効果的」とも言われていて、読書にはたくさんのメリットがあります。
最近は読書にかける時間が減ってきてしまいましたが、それでも月に5~10冊くらいは読むようにしています。
書くことに興味があったので、ライターになる前から、いわゆる文章術系の本はたくさん読んできました。
今まで読んできた中で「これは参考になった!」というおススメの1冊を紹介したいと思います。
「ライティングスキルを向上させたい!」という方は、是非参考にしていただければ、と思います。
「150冊執筆売れっ子ライターの もう恥をかかない文章術」
ご紹介するのは「150冊執筆売れっ子ライターの もう恥をかかない文章術 – 神山典士 -」です。
≪目次≫
第1章 その文章は「誰に」「何を」書くのか?
第2章 「3つの箱」で設計図をつくる
第3章 文章を「読みやすく」する基本的な技術その1~読者をA地点からB地点にしっかり運ぶ~
第4章 文章を「読みやすく」する基本的な技術その2~わかりやすい文章のポイント~
第5章 文章を「読みやすく」する基本的な技術その3~「感動」という名のご褒美~
終章 「書くことを生きる」喜びと効能
著者はノンフィクション作家の神山典士氏。
1997年(平成9年)、『ライオンの夢 コンデ・コマ=前田光世伝』で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞し、ノンフィクション作家としてデビュー。
「異文化」「表現者」「アウトロー」を主な取材テーマとしている。
2014年(平成26年)、『週刊文春』2月13日号にて作曲家・佐村河内守のゴーストライターをしていた新垣隆の独占インタビュー記事『全聾の作曲家はペテン師だった!』を発表し、第45回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)、第21回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞大賞を受賞。
(Wikipediaより引用)
僕はいつも本を読む前に、著者のプロフィールを必ず確認するようにしています。
理由は著者の肩書や略歴、バックボーンが分かった方が説得力が増すので、頭に残りやすいからです。
あの佐村河内事件から、葛飾北斎、僕も大好きな忌野清志郎の本、そして間寛平まで、色々な方の本を書かれています。(個人的にはかなりツボな人選)
そして、30年のライター生活で扱ってきたテーマは人物だけでなく、ビジネス、食文化、芸術、スポーツ、と多岐にわたっています。
そんな経験豊富な著者が書いた、文章術の本です。
おおまかな構成としては、
文章講座で受講生が書いた文章を”例文”
それを著者が推敲したものを”回答”
というように修正前と修正後があわせて掲載されているので、改善点が明確で非常に分かりやすいです。
実はこの本、僕が受講したライターのセミナーで講師をしてくださった、本田もみじ先生(記事一覧はこちら)に勧めていただいた1冊なんです。
ライターセミナー講師のお墨付き!というわけですね。
本書を読んで、ナルホド!と思ったところをいくつかピックアップしてみました。
読者をイメージする
「(書き手が)書きたい文章より(読者が)読みたい文章」を紡ぐこと。
それこそがプロにとってもアマチュアにとっても「ゴール」なのです。「文章はマスターベーションの道具ではない」
「読者の奴隷になれ」
思わずドキッとするような強烈なフレーズが記載されていますが、そこまで読者のことを考えて書かないとダメということ。
本書は「読者が読みたくなるような文章を書く」ことに徹底した文章技術書です。
まずは句読点がどうこう、起承転結がどうこうという前に、読者をイメージ出来ているか?
そこが大前提。あくまで読者ファーストです。
サビ始まり、セリフ始まりで良い
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
誰でも一度は聞いたことがある、川端康成の「雪国」の書き出しです。もし、この物語の冒頭が、「上野駅を発車する列車の様子」から始まっていたらどうでしょうか。
読者は物語の冒頭で、上野駅から何時間もかかる列車の旅に付き合わないといけません。
つまりこの小説は、前段の全てをはしょって「トンネルを抜けたところ」から書き出してくれたから良かった。
読者はいきなり文字通り「雪国」の世界に引き込まれ、早い段階で可憐な芸者に会うこともできた。
今まで、登山に行った時の記事を書くときは、登山コースに入るはるか前の最寄り駅や自宅を出発するところから時系列に書いていました。
しかし、そうではなく「頂上に到達した瞬間」「頂上から見た景色」など、一番心に残っていることから書き始めれば良い。
そうすることによって、読者も一気に引き付けられる、ということです。
これは目から鱗でした。
語尾こそ最大の化粧ポイント
読者が「読みたくなる」文章を書くために、最大の武器は「語尾」だと考えます。
・過去形
・現在系
・言い切り形:〜だ、〜である
・丁寧形:〜です、〜します
・体言止め:落ちてきたのは、なんとリンゴだった→落ちてきたのは、なんとリンゴ
・余韻を残す:〜だとは…。
・感嘆符:〜!、あぁ…。
・疑問符:〜ですか?、〜だろうか?などなど。
語尾にバリエーションがあれば、読者は飽きずに読んでくれます。
たまに、まるで落語を聞いているかのような、そんなリズムを感じる文章に出合うことがあります。それはきっと、語尾が単調ではなく、バリエーションが豊富な文章になっていたからでしょう。
推敲の際、「語尾だけに着目する」というチェックは必ず行うようにしましょう。
まとめ
本書を読んでいる途中、付箋を貼りすぎて、付箋だらけになってしまったので、途中で貼るのをやめました。
「誠に残念ながら、その文章力は15歳レベルです」
表紙に記載されているこの言葉にドキッとした方は、是非一度読んでみて下さい。読んで実践していけば、きっとすぐ30歳レベルくらいにはなるはずです。
著者が30年間ものライター生活で学んだこと、ノウハウがたった1,500円程度で学べるわけです。
本のコストパフォーマンスの高さって、異常だと思いませんか?
またおすすめの本があれば、ここで紹介したいと思います。
(おしまい)