私は、兼業ライターとしてSNS登録をしている。自分からの発信は気まぐれだが、他の方の発信をみて楽しませてもらっている。
そんな中で 「サラリーマンは偉い」という書き込みを見つけた。決まった時間に会社に行って、お昼まで働き、昼食をとった後は夕方まで働く。それを毎日繰り返す。そんなこと、僕にはできない、といった内容だった。
へえ、サラリーマンが偉いという感じ方があるんだ。
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私、サラリーマンですけど。
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私、偉いんですかね。
ということで、サラリーマンについて書く。
サラリーマンとは
ざっくり言うと、9時から5時まで働いてお給料をもらい生活する人、である。
またまたざっくりとした書き方になるが、会社には儲けを出す仕組みがあり、サラリーマンはその仕組みの中で役割を担っているのである。
その役割は千差万別である。トップとしてのかじ取り、マネジメント、人材の選択と配置、折衝、そして、作業性の高い仕事もあれば、ゼロから何かを作り出す仕事もある。
プロパー(新卒採用者)、中途採用、出向、派遣、パートタイマー、採用の仕方もさまざまである。
そして、絶対に外せないことは、社内外問わずの人との関わりである。
サラリーマンは上司を選べない、部下も選べない、そして同僚も選べない。この人とは相性が悪いから嫌だ、なんて言っていられない。誰かのため、自分のために作業や課題をこなすだけである。
私の場合はどうだろう。
毎朝、決まった時間にオフィスに行き、ルーチンとルーチン以外の仕事をこなす。
仕事をこなす段取りは、オフィスに到着する前に考えている。
PCの向こうにいる人に誠意をもってメールを書く。電話での受け答えは笑顔でおこなう。情報を仕入れるためにビジネス雑誌を読む。会話に必要な時事問題を知っておく。トラブルが生じる生じないにかかわらず、常に最善を尽くす。
ふふふ、文章にすると、私って偉い。でも、本当に最善を尽くしている。
そういう生活を10年続けてきた。その間に、小学生だった下の娘が大学生になった。
サラリーマンの楽しみ方
今の会社は、東京に本社のある大手企業の完全子会社である。株主は100%親会社であり、親会社からの出向社員も多い。親会社で執行役員を勤めた人が社長として天下ってくる。そんな会社である。
出向社員の平均年収は、おそらく、男性は1,000~1,200万円ぐらい、女性は7~800万円ぐらい。
私は社内情報に通じているので信頼のおける数字だと思う。
ちなみに、旧帝大卒の人ばかりだ。
対する私は、親会社ではなく子会社の直接採用者である。
しかも、学歴がない。給料も子会社の規定だ。
最初は、卑屈になってしまう自分をコントロール出来ず、一人でもがいていた。自己嫌悪と反省を繰り返し、上司と良い関係を築く努力をした。臆せずに良かれと思う提案をした。
そうしたら、いつのまにか売り上げに貢献できていた。
私ではなく上司が評価されたけれど、チームで一緒に貢献した事実は変わらない。それが自信につながった。お陰で、肩の力を抜くことも出来るようになった。給料は据え置きだけどね。
時期を並行して、子供たちに向けていたエネルギーを自分に向け始めた。新しい風を取り込みたくて、イベントや学びに参加していると、心理学にはまってしまった。
この心理学、人生を楽しむためのスキルを学ぶのであるが、これが面白い。
私がサラリーマン生活を楽しむためにオフィスで応用しているスキルは、職場での話の中で、その人の“普通”を見抜くことだ。
言葉を注意深く聞いてほしい。「普通は〇〇でしょ。」という言い回しが案外出てくる。色んな人が、色んなレベルで“普通”を持っている。この“普通”にその人の人生観が凝縮されている。
普通は待つでしょ。普通は先に謝るでしょ。普通は向こうから連絡を取るでしょ。などなど。
なるほど、そう思ってるんだ。こういう感じ方や考え方があるんだ、という気づきの毎日になる。
但し、絶対にジャッジしないこと。良いか悪いかの判断は絶対にしてはいけない。話をして相手を知り、相手との違いから自分を知る。
そこに所属しているから、そこで時間を過ごせる。なりたい自分に向かっての努力もオフィスで出来る。自宅が憩いと家事の場であるのに対し、オフィスは自分と向き合える場所でもある。
サラリーマンの課題
この4月、私より1年遅れて正社員に登用された女性が主任に昇級した。私は一般社員のままだ。
彼女は総合職採用なのか? 私は定年まで平社員なのか? なんで? なんで?
未だに、誰にも聞けていない。聞けないのは、私のプライドと妬みのせいだ。私の方が出来るのに。
色んな人が働いているから、そこに差が生まれる。
同期入社という理由で、一律に同じ給料であれば、それも不満である。
上の娘に愚痴ってみた。
まずは学歴でしょう、学歴が違うから仕方がないと、学歴を手に入れている娘に言われた。大きな企業なら、学歴で差をつけるのは当たり前らしい。それなら諦めがつく。
娘に吐露したおかげで、少しだけモヤモヤが晴れたけれど、学歴や収入にかかわる劣等感は、これからも突然私を襲うと思う。
そうなったらどうするか。それがこれからの課題である。
気分よく生活できる方向へ少しずつ進む、しかありませぬ。
人は誰でも、好き嫌いがある。
サラリーマンが偉いのかどうかは、わからない。それでも、満員電車に慣れた私は偉いと思う。結局のところ、その人が自分で納得してOKサインを出せば、それでOKなのだ。
少なくとも、私はサラリーマン生活が嫌いじゃない。
明日も嬉々として働く。