この記事は、大阪ものかき隊の隊員が仲間である隊員にインタビューを行い、独自目線で深掘りをする「連載 メンバーズインタビュー」の第2弾として書かれたものです。第1弾に続き、大阪ものかき隊の隊長である本田もみじと「多軸」についてお届けします。
深掘りした人:桐嶋つづる
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気鋭のライター集団「大阪ものかき隊」。この40人超のライターを束ねる本田もみじ隊長への取材記事【言葉とブッダに導かれ~パラキャリライタ―「本田もみじ」の道標~】の中で、筆者の心に深く残った言葉「多軸」。今回はこの「多軸」について、もみじ隊長を深堀りしてみました。
もみじ隊長は自ら「パラキャリライター」と名乗り、まさに「多軸」で活躍する人。そんなマルチな活躍を見せる隊長が考えるライターに必要なこと、ものかき隊の未来構想、ぜひご覧ください。
インタビュアー:桐嶋つづる
【本田もみじ 略歴】
・青森県生まれ、北海道札幌市育ち
・京都の龍谷大学にて仏教美術を学ぶ
・大手アパレル会社勤務(店舗運営を担当)
・大手生命保険会社勤務(営業を担当)
・現職 株式会社Flucleに入社(ライティング、マーケティング、広報を担当)
・入社と同時にライターとしてもデビュー
・2018年 大阪ものかき隊を設立
・正社員兼、個人事業主のライターとしてマルチに活動中
「多軸」は行き残るライターの必須条件
ーー「パラキャリライター」という言葉は、もみじさんと出会って初めて耳にしました。マルチに活躍するもみじ隊長にぴったりなネーミングですが、パラレルキャリアなライターとして活動を始めたきっかけは何ですか?
今の会社に正社員として入社したのが2016年。友人が起業し、その自由な社風に後押しされて入社当初からライターとしても副業をさせてもらっていました。
入社から3年たった頃、会社では徐々にライティング、マーケティング、広報などの業務を担当するようになり、その頃に「副業」ならぬ「複業」という言葉を目にします。「副業」のそれまでの付属的なイメージとは違い、「複業」であればすべての仕事に光が当たると考え、「複業=パラレル」「パラキャリライター本田もみじ」として活動しようと思い立ちました。
時を同じくして、仕事以外のところで、ライターという個の職業人を集め、学び合える場を作りたい!と「大阪ものかき隊」を立ち上げています。公私ともにさまざまな活動をし始め、生き方も「パラレル」になっていきました。
ーー前回の取材の中でありました「多軸」という言葉について教えてください。ライターは「ものを書く職業」という一本軸のイメージを持っている人が多いと思います。私も漏れなくそのイメージのみでこの業界に足を踏み入れたので、「軸が多い」という概念に驚いたとともに「軸」を多くもたない私は焦りも感じました。もみじさんが多軸で活躍するように、ライターはやはり「軸」を多く持った方がよいのでしょうか?
そうですね。多軸が100%正解ではありませんが、これからの時代を生き抜いて最終的に「残るライター」になるためには、多軸を意識してみるとよいと思います。軸が多ければ多いほど、よりオリジナルな作品が作り出せますから。AI時代の波にのまれない頑丈なライターでいたければ、ライティング以外にもたくさん軸を持ち、掛け算方式で「唯一無二の人」を目指したいですよね。
軸は「自己課題解決」で探す
ーーライターとして考えられる「軸」となると、編集、マーケティングなどさまざまあると思います。どのように自分に必要な「軸」を見極めていったらよいでしょうか?
大阪ものかき隊の隊員さんたちにも、さまざまなタイプの人がいます。「商業ライター」として各分野に特化した記事執筆を得意とする人、ノンジャンルで取材やセールスライティングやPRを得意とする人、また「クリエイター」として小説やブログ執筆などを得意とする人など、所属する隊員の数だけタイプがあります。
ジャンルだけではなく、得意とする事業タイプでも分けられると思っています。寿司屋の経営に例えてみましょう。たとえばある人が「握り」を極めたい寿司職人タイプだとすれば、文章力に特化した強みを得ていくでしょう。逆に私は、ブランディングや、どうすれば店が繁盛をするかを極めて「寿司屋の経営」を成功させたいタイプの人間です。なので、メディア運営やセールスライティングが得意です。
そのように、まずは自分がどのタイプなのかを見極めるとよいのではないでしょうか。自分は経営がしたいタイプだなと思えば、やはりマーケティングの知識は必須でしょう。職人タイプだなと思えば、編集や校正の技術・日本語力などをプラスの付加価値にするといいですよね。
ーーそれは、自分の「好き」という気持ちに従って決めてよいのでしょうか?
「やりたい」より、「やれる」を優先したほうがいいでしょうね。私も心を揺さぶるようなエモーショナルな文章を書いてみたいのですが、正直いって苦手です。それなのにいつまでも「私はエモーショナルな文章を書きたいの!」と望んでいても、ライターとしてつぶれるだけです。
そのためには、まずは最初に「自己課題解決」を目指すとよいのではないでしょうか。
――自己課題解決ですか。
そうです。例えば取材ライターに自分は向いていると思えば、取材ライターとして足りていなくて困ることは何か? さらに手にすると武器になるスキルは何か? と、課題と解決策を考えてみる。取材ライターで役に立つ付加価値は「カメラの技術」だと思います。取材にカメラはつきものですし、カメラマン1人分の費用と調整の削減になるので、大変喜ばれます。
「自分にないと困るな」「私がここで1人二役できたら、周りのみんなの仕事がうまくいくだろうな」という観点から付加価値を見出していくのがおすすめです。
「多軸組織」なら叶えられることがある
ーー周りのみんなが…とありましたが、ライターさんの中には取材案件などはせずに、1人コツコツとお仕事されている方も多いと思います。そういった方はどのように付加価値を見出していったらよいでしょうか?
そうですね。やはり自己課題解決は必要ですが、1人だとなかなか自分がわかりにくいかもしれません。その点、集団の中にいると他との違いがわかりやすく、自分がより鮮明に見えるようになります。
客観性を保つためにも、仲間をつくることはおすすめです。例えば大阪ものかき隊には、既にいろいろな軸を持ってバリバリ活躍している人もいますし、一本の軸で活動している人もいます。大切なことは個々の強みを認識し、それを限りなく伸ばしていくこと。軸の数にこだわる必要はありませんが、より自分の強みを強化するためには、より多くの軸があった方が土台がしっかりすることが多いのではないでしょうか。
実際、部活動などを通じて「隊員同士でお互いの強みを引き出し合えている」という面が、大阪ものかき隊の利点だなと日々強く感じます。
ーーみんなが同じ方向を向いて1つのものを学ぶスタイルのライターセミナーもありますが、大阪ものかき隊は「隊員が他の隊員の強みを引き出し、お互いに気付きを与え、各自が自分の強みを伸ばす」というスタイルなのですね。そんな大阪ものかき隊をこれからどんな組織にしたいですか?
「記事を3000本欲しいですと言われたとき、1人では無理でも、大阪ものかき隊なら叶えられるかもしれないですよね。
ものかき隊にはマーケティングができる人、編集ができる人、SEOができる人、いろいろな人材が揃っています。ライターを基本の軸として、「×マーケティング×編集×SEO」というように、それぞれの色を持つ「縁」が掛け合わさって、何倍にも膨らみ、それはやがて大きな「多軸組織」となる。私はそう確信しています。
もし「私はライター以外の軸がない…」と一人で悩んでる人がいたら、「多軸組織」をつくれるコミュニティに参加してみては? とご提案したいですね。その活動の中で自己がよくわかるようになり、おのずと自分に必要な軸が定まっていくと思いますよ。
そして、将来的には隊のみんなで何か大きな仕事を動かしたい! それが隊長としての思いです」
取材を終えて
ご本人自ら、多軸プレーヤーとして活躍中の本田もみじ隊長。
これからの時代において「生き残るライター」になりたければ、ライティング以外の「軸」は自分を強化するものであり、その軸を見つけるにはまずは「自己課題解決」が必要であること。また「多軸って何から始めたらいいの?」と迷う人は、まずは多軸組織の中に飛び込んでみることがおすすめと教えてて下さいました。
ライターも淘汰される時代が近づいています。本田もみじ隊長への取材を通して、具体的な「生き残る残るライターになるための道筋」を見せてもらったように思います。
もしあなたもライターとして伸び悩んでいる・・・と感じているなら、「大阪ものかき隊」を一度覗いてみませんか?
本田もみじ隊長と、学びの仲間が待っています。
そして、多軸プレーヤーの本田もみじさんが気になる!という方は、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。⇒【言葉とブッダに導かれ~パラキャリライタ―「本田もみじ」の道標~】