WEBライターの椿れもんです。
あなたは小さい頃、どんな職業になりたいと憧れていましたか?
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が発表した、2018年度小学生の「将来なりたい職業」ランキングによると、男子の1位は「野球選手・監督」、女子の1位は「パティシエール」だったそうです。ちなみに、男子の6位には、「ユーチューバー」がランクイン。時代を感じますね。
そういえば、巷で話題の書籍『妄想国語辞典』(野澤幸司著・扶桑社)によると、『IT社長が女優をゲット』の意味は『叶わない夢はないこと』なのだそうです。
この書籍には、今はまだ世の中に存在していないけれど、これから生まれてくるかもしれない日本語が集められていて、例えば、
『なるほどですね』は、『何の関心もないこと』
『胃カメラのストレスで胃を壊す』は、『本末転倒』
『行けたら行きます』は、『絶対に果たされない約束』
など、頷きすぎて顎が外れないか心配になるほど、共感しまくれるワードがたくさん収録されています。
そこで、私もこのブームに便乗して、『妄想国語辞典』に別冊挟み込みで良いから、ぜひ加えてほしいと思う「心の声会話集」を考えました。
今回は、自分の職歴を振り返りながら、ついつい漏れ出てしまう心の声を「オシゴト編」として書いてみます。
※毒舌ツッコミがたくさん出てくるので、ハートの弱い方はくれぐれもご注意ください。
「○○になったら?」は本心ですか?
小学生時代、ちょっと面白い話をしたら、
「芸人になったら?」
中学生・高校生時代、ちょっと上手に歌ったら、
「歌手になったら?」
大学生時代、ちょっとユーモアのあるショートストーリーを書いたら、
「小説家になったら?」
社会人時代、ちょっと美味しい手料理をふるまったら、
「お店出したら?」
目をウルウル&キラキラさせながら、こんな風に言ってくる人(ほぼ女子。しかも、大概は男子ウケの良い、ぶりっ子系)、あなたの周りにも1人や2人、いませんでしたか?
そんな女子のことを、私は蕁麻疹が出るほどに大嫌いでした。
もちろん、今も変わらずです。
私を苛立たせる“妖怪”たち
でも、2度目の成人式をとうに過ぎて、アラフォーからアラフィフへと大人の階段を上っている私は、最近、気づいてしまいました。
こういう典型的なぶりっ子女子以外にも、実は同類ともいうべき、「亜種」的な人が結構いるのだということに。
それは、「どんなお仕事してるんですか?」
と(さして興味もないくせに)気安く訊いてくる人。
あなたの周りにも、結構いるでしょ?
特に、異業種交流会をはじめとした、「はじめましての大人たちが出会う場」では、ほぼ訊かれますよね。
でもね、私に言わせれば、そういう人って、ある意味「妖怪扱い」なんですよ。
「はい、出ましたぁ。“どんなお仕事してるんですか妖怪”!」みたいな。
あ、思わず心の声が漏れ出てしまいました。
ええ、昔から毒舌なもので。
参照:毒舌ライターが「叱る5歳児」にイラッとする心理を分析してみた
https://kansaiwriter.work/remarks/post-1881
毒舌で腹黒だけど真面目な私は、正直にお答えするのですが、その後の会話がかみ合わなかったり、弾まなかったりすることが大半。
そんな時、私は心の中で「だったら聞くなよ」と何度も繰り返し唱えています。
すみません、生まれつきの腹黒オンナなもので。
人は自分が見たいようにしか見ない
世の中に存在している職業や肩書きって、本当にいろいろありますよね。でも、人は自分の知っている範囲の少ない情報でしか判断しないものです。
転職経験も豊富で、今も複数の兼業をしている私ですが、自己紹介の時に自分が何者なのかを一言で説明することができず、苦労する場面が多々あります。
また、勝手に決めつけられたり、誤ったイメージで見られたりすることに、結構イラっとしてしまいます。
WEBライターを始めるまでにも多くの職歴を持つ私が、訊かれてイラっとした、仕事と肩書きに関する質問と答え、そして心の声を職業別にまとめてみました。
心の声会話集
アロマコーディネーター編
日本には、アロマセラピー関連の国家資格はありません。複数の団体が民間資格を設けていますが、名称はいろいろです。私が合格した試験の資格は、アロマコーディネーターだったので、その名称で名乗るようにしていたのですが、ほぼ9割の人にこんな質問をされました。
相手: 「香水の調合をしてるんですか?」
私: 「いいえ、香水じゃないです」
アロマトリートメントで施術する時には、ベースとなるオイル(ホホバオイルなど)に、複数の精油の香りをブレンドして使いますが、香水の調合ではありません。
ちなみに、私が初めてアロマセラピーを学んでから20年近く経ちますが、香水の調合を職業としている人、すなわち調香師に直接お会いしたことは一度もないですね。
この質問は、お堅い雰囲気の男性に言われることが多かったです。私がアロマトリートメントの詳しい話まで説明すると、何か違うサービスのお店と勘違いされるのか、妙にニヤけて受けたがる人が結構いたことにも、ビックリさせられました。
(その話は、いつか機会があれば改めて)
婦人雑貨店のショップオーナー編
2008年10月、ひょんなことから婦人雑貨店のショップオーナーになった私。
店舗経営に奔走した約5年半の間、これでもかとばかりに同じ質問ばかりされました。
相手: 「お店では何を売ってるんですか?」
私: 「ハンドバッグとアクセサリーです」
最もよく訊かれた質問: 「自分でデザインしたバッグを売っているんですか?」
あくまでも小売店だったので、問屋さんから既製品を仕入れて売っていただけです。
逆に私から質問したいんですけど、世の中にハンドメイドのバッグって、どのくらい出回っているんでしょうか?
子どもなら、お母さんが手作りしたお稽古バッグを持っているかもしれません。
また、あなたがとても手先が器用でセンス抜群なら、ミシンでササっと作ったバッグを、サブバッグとして使っているということもあるでしょう。
でも、あなたを含め多くの人は、高級ブランド品かどうかはともかく、既製品のバッグを使っていますよね?
なのに、なぜ「ハンドメイドのバッグを売っているデザイナー兼オーナー」だと思うのでしょうか? その思考回路が、私にはとても謎です。
また、ショップオーナーだと聞いた途端に、いきなり自分の扱っている商材を置いてほしいと売り込んでくる人も、かなり居ました。
「○○を置いてもらえませんか?」
は? こっちから商材に一目ぼれして、是非うちに置かせてほしいと言わない限り、初対面で名刺交換しただけ人の商品を、すぐに店頭に置くと思う?
ここで商売するために、毎月どんだけの金額を○オンに払ってると思ってんの?
そんな簡単に、店の陳列棚を使わせてもらえるなんて、厚かましいにも程があるっちゅーねん!
だいたい、うちの店を見たこともないくせに、その商材が店の客層や雰囲気に合うか合わへんかもわからんままに、失礼極まりない話やわ。
はっ、また心の声が大きすぎました。
このままだと止まらなくなりそうなので、
「次、行ってみよう!」
(↑よろしければ、『ドリフの大爆笑』のいかりや長介風に、あなたも私と一緒に心の中でご唱和くださいませ!)
WEBライター編
お待たせしました!
いよいよ、WEBライター編です。こんなにわかりやすい肩書を手に入れたら、もうイラっとするような質問を受けることはないと強く信じていた私。
しかし、現実は私の予想に反して、イラっとする質問を結構される日々が続きます。
相手: 「どんなこと書いているんですか?」
私: 「○○とか、△△とかですね」(受注している記事の、多岐にわたるジャンルを説明)
相手: 「へー」 (「この人、専門性ないの?」とでも思っていそうな顔)
私: 「最初は得意分野ではなくても、経験を積むために、書けそうな案件があったら積極的に取り組むようにしているんです」
相手: 「どこで読めるんですか?」
私: 「私たちの名前は出ない、ゴーストライター的な案件が多いので、署名記事は少なくて……。でも、近々アップされると思います」
相手: 「読みたーい! 載ったら教えてくださいね。絶対読みますぅー!!」
(「この人、自称ライターなんかも?」 「載ってないなんて、証拠ないやん!」 とでも言いたいのかしら?)
私: 「ありがとうございます。掲載されたらお知らせしますね」
相手が、「ま、無理やと思うけどぉ」とでも思ってそうな顔をしているように見えるのは、私の被害妄想でしょうか?
ですが、そのネガティブ予想を裏切り、めでたく署名記事がアップされた私は、これでギャフンと言わせてやるとばかりに、掲載されたことを報告します。
私: 「この前お話していた、○○の記事が△△ってサイトにアップされたので、良かったら読んでくださいね」
相手: 「あ、はい」(と気のない返事。明らかに興味なさそうな、まるで「社交辞令で言っただけなんですけどぉ」とでも思っていそうな顔)
そして、すぐに話題を変えられてしまいます。もちろん、後日に署名記事を読んだ感想を聞かせてくれるようなこともありません。
えぇ、この人が特に意地悪なのではなく、だいたい皆さんこういう感じです。
まとめ
私が小学生の頃になりたいと思っていた職業は、幼稚園の先生でした。
いつしか気持ちに変化が生まれ、中学3年生あたりからは、文章やキャッチコピーへの興味・関心が強まり、広報の仕事をしたいと憧れるようになりました。
WEBライターの仕事は、クラウドソーシングでご依頼くださるクライアント様の、マーケティングや広報のお手伝いという面もあるため、遅ればせながら叶えたと言えそうです。
複数の仕事の兼業スタイルなので、まだこの先の人生でも新たな仕事を始めることがあるかもしれません。
そんな私がこれから手に入れたい肩書は、たったひとつ。
それは、
「魔女」
冗談ではなく、本気です。
私は、自分が書いたり話したりする言葉によって、出会いたい人や叶えたい夢を引き寄せて、現実化することができると信じています。
それこそが、まさに魔法だと思うのです。
そして、どんな職業や肩書を名乗ったところで、結局、人はその人が見たいようにしか見ないし、イラっとする質問攻めに遭うし、あまり意味があるように思えないので、魔女と答えておくくらいでちょうど良い気がするのです。
さらに、「魔女になりたい」と真面目に話す私のことを、頭のおかしい変な奴だと思って避けられるか、面白そうな人だと思ってもらえるか、相手の反応によって、この人とは仲良くなれそうかどうかを見極める「リトマス紙」にすることができます。
私の妄想国語辞典では、『魔女になりたい』の意味は、
『私、自分の人生に貪欲で、口に出して叶えちゃうタイプなんです。私たち、仲良くなれそうですか?』。
こんな私ですが、良かったら仲良くしてください。